2022年9月8日木曜日

閑話 その三百八十五

 

 

 前から気になっていたので調べた。今年月なのだが、松田署が二十八日に行方不明になっていた男性(37)を九日ぶりに発見して救助した、と言う記事だ。

 松田署ならば丹沢の遭難だ。検索すると十九日に日帰りで雨山峠へ向かった、とある。雨山峠付近で迷ったのか、それも九日間も。

 一寸と有り得ないので再度検索した。別記事で町田市の男性(72)が二十七日に雨山峠へ向かい、無人小屋に宿泊しようとしているとびしょ濡れの男性が「助けて下さい」と這う様にして入って来た、とあった。その人が三十七歳の遭難者である。

 その後の七十二歳氏の行動が中々良いので読んでいても嬉しくなる。すぐさま三十七歳氏に予備衣類を出して着替えさせ、カップ麺、パン、スポーツ飲料等を提供した。一週間以上山の中にいて沢の水を飲んで過ごした、と聞いて驚いたとの事だが、実際は九日間! そこでのカップ麺はさぞ美味しかった事だろうと、他人事乍ら喜んでしまう。

 翌日五時から(三月じゃ未だ暗い)行動を起こし、二時間程歩いて電波の届く所に出て通報し、小屋に戻って二人で救助を待った。

 書いてて胸が熱くなる。三十七歳は大石山下山中に滑落して小屋を目指したが迷ったとあるので、小屋とはユーシンロッジだ。雨山峠を目指したのではなく、檜洞丸を登ってユーシン下り、雨山峠を越えて寄に出る予定だったのだろう。三十七歳、強い盛りである。七十二歳氏が電波を求めて歩いたのは、雨山峠へ登って更に雨山方面へ登ったと言う事だと思う、たっぷり二時間は掛かるから。大変だったでしょう、七十二歳だもんねえ。

 三十七歳氏もよくぞ頑張った。三月の山中、夜は偉く冷え込んだだろう。九日間を耐え抜いたのは立派の一言だ。若さです。

 唯、大石山で滑落して九日間の彷徨、どう迷ったんだろうと不思議ではあります。

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