2022年9月11日日曜日

閑話番外 その百三十七


  前章で雨山峠を越えてユーシンに入った人が遭難者を助けた話をした。雨山峠からユーシンへの下りが楽ではない。地図に依ると去年の九月時点で通告禁止となっている。

 玄倉からユーシンの林道が通行禁止ななってからは、ユーシンに入るのは雨山峠越えがメインルートになったのだが、峠道は巻き道が多いので崩れたら駄目になる。そして崩れて駄目になったのだ。

 町田の男性がたまたまユーシンに泊まったので、三十七歳の遭難者は助けられたのだ。もし泊まった彼がいなければ、もう峠を越える余力はないだろう。林道を玄倉迄三時間を歩かねばならない。ひょっとすると最悪の事態を迎えたかも知れない。男性は遭難者を助ける為に入山した結果になったのだ。本当に良かったと思う。奇跡的と言っても良い。

 ユーチューバーが蛭から檜洞丸へ向かう途中の金山谷ノ頭付近で道に迷った動画をアップしていた。道を逸れて不明の梯子を上って道を失う。それでも進んで、はっきりと迷ったと悟る時の恐怖心は確り伝わって来た。あたしもあちこちで数えきれない程経験がある。明らかに道じゃない、と知ったら引き返すのみ。慣れてるのも良い場合がありますなあ。

 金山谷ノ頭付近は地形が交錯していて分かり辛い。今は道も道標も確りしているが、それでもそういう事がある。昔は碌に道標もなかったし道の整備もなかった。上の写真はその金山谷ノ頭付近です。

 寄(やどろぎ)から雨山峠へも今年の三月は通行禁止だったそうだ。台風の影響で登山道が崩れた。それでもユーシンへ往復した記録があった。結構沢沿いに歩いている。その道に慣れてる人の記録だった。

 一昔前に何度か雨山峠に登ったり降りたりしたが、大分様子が変わった。峠道は余程確りしたものでなければ同じ運命を辿る。地形が安定した峠道が生き残るのですなあ。

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