2022年7月28日木曜日

初めてのお使いとか その八

 

 我がロマンチック街道、上越の山に初めて行ったのは二十二歳の花も恥じらう美青年の頃(おいおい!)、遥か昔の物語になったです。ん、此の章は全て昔話だった。新しい話なんざ一つもないって。題が”初めて”、なんだから。

 前の話の春山の時のIに連れられて行ったのだ。北穂・槍の翌年の事。こちらも春山、雪深い芝倉沢を登った。十五年前の本文「芝倉沢」のラベルで、勘違いで三年掛けて登ったバカ(詰まり私)を書いたが、それはIと登った十数年後の事になる。

 と書いて、自分乍らそんなに長くこの愚ログをやっていたかと、改めてびっくりこく次第。しかもこんな絶海の孤島でねえ。よーし、こうなりゃあロビンソン・クルーソーを越えてやろうじゃないか

 夜行列車で土合に着いて、長い階段の先が霧で霞んでいたのに驚いた。これはどこかに書いたですな。暗いうちに歩き出し、沢の入り口には直ぐ着いた記憶だ。それが後で祟った訳なのか。(違うって、地図が読めなかったって事だ、素直に認めろ。はい、そうれす)

 こちとらIに付いて行くだけ。「良かった、滝は雪に埋まってるぞ」と言われても訳が分からない。傾斜が急になって来て、「左に逃げるぞ」と言われても、逃げてるかどうかも分からない。初めての雪の沢なんて、大方こんなもんだ。

 稜線に出る時、小さな雪庇をピッケルで崩して這い上った。その儘谷川岳へ行き、石黒尾根を下って帰京した。若さだ!

 初めての上越は無我夢中、ダーッと登ってダーッと下ったのみ。それが雪山だったのが原因か、上越稜線の多くは道がなく積雪期でなければ歩けないからなのか、上越と言えば春山になった。夏に八海山から中ノ岳、秋に谷川岳から平標、この二回のみが例外だ。

 てな感じで初めてづくしでした。山に登る人は誰でも経験する訳なので、特にどうと言う事は無い有触れた思い出話、お付き合い頂き感謝感激雨あられあります。

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