2014年10月15日水曜日

追っかけよう その三




 秦野峠から南下すれば点線道だが、高松山に至り、更に尺理(ひさり)峠から第六天、松田山へと続くのだ。松田山はゴルフ場になっちまったで、尾根通しには歩けないのだ。とてもひどい……。
 秦野峠から西進すれば、ブッツェ平を越えて秦野峠分岐点に達する。此の間は破線道だ。分岐点から大野山へは、ハイクへのお誘いに書いた通り。
 此の鍋割から西の、割と目立たない領域が表丹沢でも人が少なくて、変化に富んでやけに面白い。ま、私好みなだけなんだけど(詰まり、物好き好み?)。はい、そうです。
 塔からは北へ、主脈を行く。ハイライトの一つで有る。ブナ林帯の中、日高(ひつたか、1461)、龍ヶ馬場(りゅうがばんば、1504)を越えて丹沢山(1567)だ。ガスると幽玄な雰囲気になる所なのだ。
 丹沢山から、富士は素晴らしく見える。但し、外の展望は余り無い。尤も、山小屋が深山山荘と名乗って居る如く、深山に立つ気分は充分味わえる(筈だ)。
 丹沢山からは、東に天王寺尾根、東北に三ッ峰尾根が分かれる。三ッ峰は長い。下っても下り甲斐が有る。登ったらさぞや登り甲斐が有るだろう。私は登った事が無いのだが、思うだに疲れる。あー、ヤダヤダ。
 さて、主脈はつるべ落としを下り、不動ノ峰(1614)へ登り返し、棚沢ノ頭、鬼ヶ岩ノ頭(1608)で蛭ヶ岳(1673)に着く。丹沢山から蛭迄の、熊笹とブナの美しさは、まさしく絶品と言うべきで有る。
 大山から蛭ヶ岳へは、地図上で九時間半、全線一級国道で小屋も六件有り、多分(多分は不要と思う)一番人の訪れる区間だろう。丹沢の華やかな部分が集約されて居るのだ。
 蛭は言う迄も無く丹沢の最高峰だ。展望は其れに相応しく三百六十度、ぜーんぶ見渡せる。どうしても眼前の富士に目を奪われるが、気を落ち着けて外にも目を向けよう。勿体無いでしょう、折角の最高峰なんだから。
 (追っかけよう その四へ続く)

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