2014年5月20日火曜日

閑話 その百二十六




 今年のゴールデンウイークも、遭難が多発し、二十二人が亡くなった。遭難者総数は二百一人(!)で有った。
 行方不明者は八人だったが、十二日に雲取山で不明になって居た男性が、八日振りに救助された。従って、行方不明者は七人だ。此れについては後述。
 白馬では三十代(!)の夫婦が遺体で見つかった。低体温症だ。昔は疲労凍死と書いた。死因としての病名では無いので、表現を改めたのだろう。実際はどう書こうと、疲労凍死だとあたしは判断して居る。
 何が有ったのだろう。三十代と言えば、山では一番強い盛りだ。経験も積み体力も充分有るのだから。夫婦共に倒れるなんて、不可思議としか言いようが無い。何とか出来なかったのかと、あたしが考えても無意味なのに、考えて仕舞う。
 奥穂では、幾つかのパーティが吹雪に巻かれ、行動不能になった。十二人がヘリで救出されたが、二人が既に亡くなって居た。
 こちらも典型的な疲労凍死で有る。昔の体力では無いのだ。亡くなった方は六十代だ。自分と闘ってはいけない。あたしの様なグータラ精神が、必要なのではと思って仕舞う。
 新聞には、三千峰の春山は冬山に変わると書いて有るが、此の時期に山に入る人間には常識だ。
 其の癖、遭難者は装備は充分で経験も豊富だった、となって居る。装備が不十分なら、経験が無ければ、遭難現場に着く事さえ出来ない。白馬や奥穂で遭難は出来ないのだ。
 立山では二人亡くなった。一人はスキー中の、一人は登山中(下山中?)の滑落で有る。涸沢岳でも二人、滑落で亡くなった。富士山でも滑落で、一人が亡くなり、一人が行方不明で有る。
 八ヶ岳の赤岳でも一人、滑落で亡くなった。涸沢岳や赤岳で滑ったら、先ず助からないだろう。若い頃とは、バランスが違う。一寸とした体勢の崩れも、立て直せなくなるものだ。
 普段の生活で思い出しても、一寸とした小さな段差に足を引っ掛ける。おっとつとつととつんのめり掛ける。人は、何時迄も若いつもりで居るものだ。続きます。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

すごい写真ですね!どこですか?
たくさん遭難があったのですねー。まだまだ、山好きの人は健在、多いのですね。仰る山岳遭難の数が、こちらの連休での交通事故数くらいあったので、びっくりしました。

kenzaburou さんのコメント...

えーと、多分奥穂方面だと思います。
涸沢のテント場から周囲を撮ったうちの1枚なのですが、特定出来ないのです(恥)。
本当に遭難が多くて、驚きます。