2014年4月21日月曜日

閑話 その百二十五




 前の続きです。
 山下りの企画だから、蓑毛へ下る積りだった。だに依って其のコースを下る。下りとなると、御婦人方の歩みがノロくなる。下りは嫌なもんだ。特に歳を取ると。
 若い時はピョンピョン下れても、視力も筋力もバランス感覚も衰えると、腰が引けて極々(ごくごく)慎重になるのは理の当然。
 下って行くとKwの腹具合が悪くなった。だったら蓑毛は遠い。下社へ行くの一手だ。アクシデントが付物なのが登山で、即応出来なければ、何十年もリーダーを務めた意味もへったくれも有ったもんじゃ無いのだ。
 結局下社に着いたのだが、ケーブルカーを見たからには、皆ケーブルに乗りたがると思った。処がぎっちょん、あたしは歩いて下るが、皆さんはケーブルでどうぞ、と言うと、全員が歩くと言う。
 閉まった! 同期生の猪共は、猪突猛進だった。
 流石に男坂は止した。だって、階段の連続で段差は高いし、足を置く段は凄く狭い、詰まりこけたらヤバイって事だ。あたしとしては安全第一、怪我人や死人は出したく無い。
 女坂を下ったが、「何が女坂よ!」と文句が出る有様、男坂を知ってるのかよ!
 御婦人達は膝に来た様子だ。病気を抱えるSは、下りだから何とも無い。スタスタ行く。良くしたもんで、女坂には花が多い。御婦人達は花を愛でて、中々進まない。膝がガクガクもするんだろうけどね。
 あたしは仕方無く、牛追いの如く、さあさあ行って、Sが待ってるよ、とせかす。K迄一緒になって、あの花がどうとか言って歩かないのだ。確かにKも花が好きなんだけどね。
 やっとバス停に着いたら、即バスが出たのは目出度かったけど、途中からどんどん人が乗って来て、ギュウギュウになっちまったのには、参った。行きも帰りもだ。
 伊勢原バス停の前の小さな居酒屋で、一杯(いっぱい?)やった。Sも元気で良かった。大体からして、御婦人達も良く歩いた。階段を下らせたくなかったが、良くぞ下ってくれた。流石に我が同期生だ。
 てな訳で、山下りを無事に出来て嬉しいのでした。S夫妻よ、又やろうよ。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

みなさん、素晴らしいリーダーがいくれて、山登りができるというのは、とても贅沢なことですね。Sさんも。自信がついたのではないでしょうか。美味しいお弁当付き、にぎやかな山行き、うらやましい限りです。

kenzaburou さんのコメント...

決して素晴らしくなんてないのです。甲羅を経ただけなのです(汗)。

本当に、50年来の仲間と山登り(下り?)とは、にぎやかで楽しいものでした。