2013年8月23日金曜日

閑話 その百六





 大倉尾根の詰め上げ、馬の背から塔は600mだが、大変な600mなのだ。第一、山で距離は、参考にしかならない。其の600mの標高差が、200mと800mとでは、天国と地獄の差が有る。
 此の場合は、確り疲れての最後の登りの大変さなのだ。其れに暑かったし。其の最後の登りで、四十代の男性を抜いた。半ズボンの彼の脹脛は確りと筋肉が付き、真っ黒に焼けて居る。登山とは限らないがスポーツマンで有る事は疑いない。
 其の彼が足を引きずる様に、やっと歩いて居る。ははー、つったな。どんな頑強な筋肉でも、つれば無力で有る。可哀そうに、顔は苦痛で歪んで居た。でも、直ぐ其処が頂上だ。
 実はあたしもつって居たのを、誤魔化して登って居るのだ。珍しい事に、右の脹脛と足の甲だ。前半の好調の時に、右足で体を押し上げる動きをして居たのだろう。其の上大汗をかいて、つった訳だ。
 頂上は流石に人が少ない。同時に日も翳って冷たい風が吹く。見えないと思った富士が、ほんの少し頭を見せた。丁度登って来た、麦わら帽子の先輩に声を掛けた。
私「ほら、富士山が頭だけ」
其の人「おお、今日は見えないと思った」
 先輩、お互い頑張った甲斐が有りましたね。
 座って休んで居る中年男性が声を掛ける。
中年男性「涼しいですねー」
私「本当です、下が暑かったから天国ですよ」
 下りに掛かった。一本松で休んで居た学生達が来る。皆さん元気に挨拶する。若さとは凄い。休んで居た時はぐったりとして居たのに。
 こちとらそうは行かない。何だかもたもたして居る。登りに調子こいて、下りでガックリ来た訳だ。同年輩の諸君は調子こいたりせず、確実に歩を進めて来たのだろう。従って下りは抜いたり抜かれたり、こんなに下るのけえ、と情け無い思いをした(忸怩)。
 O屋で一杯やったのは勿論だ。おかみさんの話だと、朝から34℃だったそうで、汗まみれになるのは当然の事。
 とことん疲れました。具合が悪くなる程だ。暑さは、嫌と言う程満喫出来た一日だったのです。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

本当に暑い日だったのですねー!!!
お疲れ様でした!!! 大量に汗でナトリウムとカリウムを失ったので、足がつったのですねー!お大切にしてください!!!

kenzaburou さんのコメント...

はい、気をつけます。
暑さと、歳なのでしょうね。
歳なりに、と心がけてはいるのですが、未だ未だどっかで、若いつもりでいるんです(恥)。