2013年8月21日水曜日

閑話 その百五





 連日の猛暑で、皆さん喘いで居る。あたしも喘いで居る。どうせ暑いなら、とことん暑さを味わってやろうと、塔へピストンをして来たのだ。昨日の事で有る。
 平日なのでバスは座席が埋まる程度。真っ先に歩き出したので、周りは無人で有る。三十分で、道端に休む中年夫婦を抜いた。前のバスの乗客だろう。
 其れからもう一夫婦と単独者を二人程抜いて行く。一本松には、七人の男女学生が木陰に座り込んで居た。此処は風が通る。涼しい風の誘惑に抵抗出来なかったのだろう。全く無理も無い。
堀山の家のベンチで休んだが、七十は越えて居ると思われる単独男性が休んで居た。
男性「珍しい物を履いてますね」
私「ええ、慣れると楽なんですよ」
 彼は麦わら帽子を被って登って行く。先輩なのに、剛毅なものだ。あたしなんざ、もう汗びっしょり、滴り落ちて居る。
 暫くして出発、其の男性と若いカップル、外数人の単独行者を抜く。あたしにしては出来過ぎた話だ。何時もは抜かれる専門なのに。抜かれたのは三十代の男性一人のみ。大体からして足音が違う。彼はガッガッがと力強い。あたしはヘナヘナヘナナと力弱い。
 花立の大階段は、登るんだ登るんだ、と自分に言い乍ら、上を見ずに足元のみを見て登る。たまに吹く涼風が助けてくれる。
 トップの写真は大階段から見下ろした堀山。下の写真は皆の嫌がる大階段の、ほんの一部で有る。


 大階段を登り切ったベンチで、お握りを食べて居ると、さっきの七十代男性も登って来た。偉いなあ。するとフイゴの様な荒い息で、三十代の男性が来る。余りの激しい呼吸に、思わず笑って「ご苦労様」と声を掛けた。
 出発しようとすると、若いカップルの男性だけが登って来た。七十代男性と話乍ら、大階段を見下ろして居るので、つい近づいた。
私「お連れさんですか」
男性「途中でヘバったかと心配で」
私「此処はキツイですから」
男性「あ、来た」
 ご無事で何より。あたしは登り始める。花立を越えれば塔の登りだ。此の頃には前半の快調は何処へやら、トボトボ登るおじさんになって居たのは、ご同慶の至りで有る。続きます。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

猛暑なんですね!塔が岳まで、汗を絞りに行かれてお疲れさまでした。さすが、他にもたくさんの人が登りに来ている人気のコースですねー。地下足袋ですか!!!いいですねー!
こちらは やっと梅と桃の花が咲きだして、春のはじめです。でもまだまだ寒くて、、、冷気をお送りしたいです。

kenzaburou さんのコメント...

下さい、下さい、冷気を下さい!!
日本列島は異常な暑さで、雨が降れば集中豪雨、ヤバい状況なんです。