2013年6月28日金曜日

登山者詰め込み その三




 北穂高の宿でも天候悪化の為、超満員の目に会った。鰯のオイル漬缶詰で有る。頭と足を交互に並べて、少しの無駄も無く詰め込んで寝かせるのだ。詰まり、私の両側は人の足だ。とても嬉しいが仕方が無い。
 前述だったかな?まあ良いや。此の時は快晴続きの為、短パン半袖の私は真っ赤に焼けて居た。ぎっしり詰められて居るのだから、暑い、凄く暑い。従って日焼けが痛くて堪らないのだ。
 我慢ならず、寝床(缶詰?)を抜け出して土間に寝た。何人も寝て居たが、皆さんセーターなぞを着込んで居る。私は短パン半袖、流石に寒くて眠れない。
 ザックの中には、セーターだろうがシェラフカバーだろうが、何でも入って居るのだが、場所を取らない為に、広間の隅に全ザックを見事に積み上げて有る、私のキスリングは底の部分だ。四角くて平らで、基礎にするには持って来いだからだ(涙)。
 で、又広間の入口に戻り、階段に腰掛けて微睡んだ(まどろんだ)次第。其れでも広間の熱気が伝わって、少しは暖かかったの。偉い混み方だったのだ。
 そして、其れは決して珍しい事ではなかった。昔のお盆の頃の宿で天候が崩れれば、大体そんな有様になった。天候が良くても、なる時はなった。
 桑原桑原、其れ以降すっかり懲りて、幕営中心の山行になったとは、前述です。
 昔の蛭ヶ岳山荘では、五月の連休には驚く程の客がやって来て、階段にもずらーと並んで腰掛けて寝て居る、と聞いた。気の毒に、其の辛さは良く分かる。丹沢は、五月が最盛期なのだ。
 奥秩父も五月が混む様で、大昔の山と渓谷に、宿の番頭さんの連休奮戦記が掲載されて居たが、定員の数倍の客を、喰わせて寝かせて送り出す、全く戦場の様な騒ぎを面白おかしく書いて有った。実際は、さぞや大変な事だっただろう。其れに、客も楽では無い。
 (登山者詰め込み その四へ続く)

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

山小屋の「いわしの缶詰め床」が、結構心地よいのです。あれほどよく熟睡した頃は、他になかったような気がします。赤の他人の山屋さんの靴下に頬っぺたをくっつけて寝ていても、水虫の人や蒸れている人もいたでしょうに、これが全然臭くない!!!不思議でした。山の浄化作用とでもいうのでしょうか。山の乾いた日差しの匂いしかしないものなんですねー!ふしぎ!

kenzaburou さんのコメント...

若さってもんですなあ!!
少々の事は気にもならない、程よい疲れで爆睡、そんな時代も有ったですね。
遠い日になりました。
あ、dog lover さんは未だ大丈夫かもしれないです。