休題 その百十三

　辛いと感じた店のランキングが有った。知らない店ばかりだったが、唯一知ってる店が入って居た。カレーのCOCO一番だ。店と言ってもチェーン店で、国内１２９４店舗、海外１０６店舗だから、凄い。

　と書いては居るが、其の辛さを自分で試しては居ない。辛さの度合を指定出来るとは、聞いた事が有る。でも、大チェーン店が常識外れの辛さを提供出来る訳が無い、と見くびって居る訳だ。

　あたしの思い込みかどうかは、其のうち試しましょう。簡単なこって、近くのCOCO一番へ行けば良いんだからさ。

　ランキングには入らなかったが（当然だけど）、凄まじい辛さのカレー屋を知って居るので、普通のカレーのココイチに行く必要を感じないのだ。其の店は、カレーが本当に美味しい。しかも、辛さの指定は普通の限度を超えて居るのだ。Mと言う。

　祖師谷の住宅地に有り、見た処は何だか分からん店で、入るのを躊躇う。入ると十三、四の席が有る店で、彫金（主人の作品）や写真（常連さんの作品）や欄の小さい花（えびね、と言うらしい）が飾って有る。芸術家がカレー屋を始めたと思えば宜しい。

　主人がマレーシアにしょっちゅう通って居て（理由は知らない）、現地のカレーの味をアレンジして独特の味を創り上げたのだそうだ。スープカレーで有る。初めて行って、虜になった。此れは凄い、本場印度カレーも適うまい！！（マレーカレーを知らないので）。

　好みの問題なのだが、美味いものは美味いと皆（とは限らないが）思うもので、今では予約しないと入れないとの事だ。何の宣伝もしないで、碌に看板も出さず、口コミでそうなったのだから、まともでは無い。えーと、言葉の使い方を間違えたかな。

　Mには変な唐辛子醤油が有る。正式名称は忘れた。正確に言えば唐辛子の醤（日本語でひしお、醤油に味を加えて発酵させたもの）漬けだ。此れだけでも立派に辛い。

　あたしはライスに其れをたっぷりかけて食べるのが常だった。此の話、続きます。