2013年3月4日月曜日

閑話 その九十八






 閑話番外六十八で、三代目登山靴とお別れすると書いた。山靴にしては割と早いお別れだ。其れはあたしの所為だとも書いた。
 で、お別れしました。矢張り寂しかった。。。
 四代目とは、何とリサイクルショップで巡り合った。ドイツ製の中古品で、元の持ち主の手入れは万全で、且つサイズも合う。ま。多少は使い込んで有るが。
 唯、ヨーロッパ人に合わせて有るので、幅が無い、スマートな靴なのだ。あたしの足は幅ばかり、尚且つ偏平足で、スマートの真逆に位置づけられるのだ、えっへん。
 厚手の靴下は二枚標準だったのを、一枚にすれば何とか行けそうだ。皮は一寸と薄手なのだが、無雪期の縦走や冬の丹沢ならば、支障は無いだろう。よし、買った。
 此の世で最後となるで有ろう登山用革靴は、斯うしてあたしの元にやって来たのだ。登山靴としては最後では無いだろう、多分。雪用のプラブーツが大分痛んで来たので、買い替えるかも知れないから。
 先ずは試さなければならない。二月半ば、一寸とくたびれたニューフェース、四代目を履いて、大倉でバスを降りた。大雪から一月経ち、もう三ノ塔は雪が目立たず、黒々として居る。
 靴紐の締め具合を色々試す。うん、何とかなるぞ。歩き乍ら当たり具合を確認する。余り上迄確り留めたら、当たる。癖を確認しつつ登る。バスを降りた十数人と前後しつつ行く。流石に此の時期に入る人達は、皆さん手練れだ。ガックリして居る人は居ない。
 あ、一人居た。登る途中で抜いた中年の男性で、あたしが塔から下って大階段の取り付きに来たら、岩に座ってガックリと項垂れて居た。気の毒で有る。「今日は」と声を掛けても、小さく頷くのみ。多少太り気味だったから、すっかり参っちゃったのだろう。
 大階段を登り切れば、塔迄はあと一息ですからね、頑張って下さい!綺麗な雪景色が待ってますよ。曇っては居るんだけどね。
 話は続きます。

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