2013年3月25日月曜日

山の報告です その三十七




 さて、九年半振りに蛭に向かうとは、夢にも思って居なかった愚か者(其の時は気付いて居なかった)が、昔の感覚で蛭へ向かったのだが、其れがえれーえ間違いだった。
 姫次から蛭へは、遠く辛い道のりだとは、Yの決まり文句だった。分からないあたしは、え、何だよ其れ、って思って居た。九年半振りに、其の気持ちがあたしにも確り分かったのは、嬉しいんだか悲しいんだか(涙)。
 たった二時間なのだ、姫次から蛭へはさ。其れに大苦労させられちゃあ、見事に唯のだらしないおっさんになったって事で、大変目出度い(涙)。
 最後の400mは酷かった。三度も立ち止まって、息をつく有様、あー情けない。
 頂上には若者が一人休んで居た。彼は、身軽く塔へ向かって去った。大倉からのピストンだろう。あたしと何たる違い!!


 小屋に泊まったのは、若者とあたしの二人のみ。彼は、西丹沢から檜洞丸を越えてやって来たとの事。此れ又、中々のアルバイトで有る。
 で、此の夜は、小屋番氏とすっかり意気投合し、消灯時間の二十時迄、飲んで騒いだ訳だ。彼は小屋番五年にして、悟ったと言う。どうせ居なければならないのだから、前向きに、楽しく過ごそう、と。
 翌朝はガスだった。若者は所在無げにして、朝飯を待って居る。天気でも良ければ、表で日の出を楽しめるのだが、ガスでは仕方無い。あたしはコーヒーを沸かして居たので、彼にも一杯振舞った。其の位の事が無けりゃあ、初めて蛭に来たと言うのに、気の毒で有る。
 小屋番氏に挨拶をし、ガスの中を出発した。勿論アイゼンは着けて居る。従って危なげ無く下れるのは助かる。車へ戻らねばならないので、昨日来た道を登るのだ。昨日はツルツル苦労したのに、今日はアイゼンが快適に効く。昨日だって最初から着ければ良いものを、アホとはそうしたもんですなあ。
 姫次で薄日を受けて温まる。弥生とは言え、雪の上なので日差しが恋しいのだ。昨日の様な展望が無いのが寂しいが、山はお天気商売ってこったす。降らないだけ増しさー♪
 又もや続きます。嫌?

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