2011年4月12日火曜日

柄でも無い事 その二十九



 あたしの柄と一番合わないのは、“粋”と言う言葉だろうと思って居るし、同感する人も多いだろう。
 一応表面上は其の通りなのだが、実のところ内心では、あたしゃあ“粋”な男だと思って居る。正確に言えば、だった。
 え、気が触れたのかって?本人がそう思って居るのだから、こんなに確かな事は無い!
 あたしが“粋”ねえ、そりゃあブーイングの嵐だね、少なくともあたしを知ってる人にはさ。“粋”になんてどっから見たって見えないもんね。
 あたしを少しでも知ってる人の評価は、良くてもそこらのおっさん、普通で汚ねえ親父、悪くて馬鹿ジジイ。
 結構酷い(ひどい。前にも書いたっけ?)けど、そんなもんでしょう。人は、自分が自分を評価する程の評価はして呉れないのだ。
 大体からして、“粋”って死語だよね。会話で使う事が無い。
 ま、良い。どうせあたしゃ粋なんだよ、と言う話だとは読まれて居るだろう(馬鹿、既に書いた)。此処は柄でも無い話なんだから。
 粋にも色々有るけど、薄着が基本に有る。ボテボテ着込んだ粋人なんってのは、存在しい。今は良い。江戸時代は今よりずーっと寒かったのだから、粋は命懸けだ。
 伊達の薄着、此れも死語かな。薄着が粋って事で、表現が違うだけだ。
 で、あたしはずーっと薄着だった。秋と冬と春で、着るものが変わらない。冬物を持って無いからかって?まあ、其れも有る。
 コートなる物を一度だけ持った事が有った。二年程で止めた。面倒臭いだけなんだもん。従って、何時でも身軽で、行動迅速、そうで無くっちゃさあ。
 へへへへ、粋でしょう、矢張り駄目?
 今はゲンチャリを乗り回す仕事なので、着膨れの野暮親父です。

2 件のコメント:

悪戯っ子(デラシネ) さんのコメント...

粋というのは外面じゃなく例えば、けん様の茶器の趣味は嫌味が無いもので粋ですよ。これが金に飽かした江戸期の蕎麦猪口とかだったら粋ではなくなるのです。
できればGEでなく銀塩にこだわるのも粋ですが、山じゃ重いしDPEも面倒ですよね。

kenzaburou さんのコメント...

あららら、家柄の良い悪戯っ子さんに粋だなて言われちゃった。本気にしちゃおうかなあ♪

銀塩とはフイルムの事ですよね。あたしもそうしたいのは山々なんだけど、データー化が骨で、時代に妥協しました。
無粋ですなあ。