2010年11月13日土曜日

閑話 その六十



 関東以北の最高峰は、日光白根山で、2578mの標高だ。
 三昔前の秋の日に登った事が有る。奥日光
の湯元温泉スキー場から取り付いた。一番当たり前なルートで有る。
 何たって大昔だから、殆ど覚えちゃ居ない
のだが、紅葉の真っ盛りだった覚えは有る。微かな記憶では唐松が多かったので、黄葉が正しい訳だ。
 避難小屋泊まりの二日行程だったが、誰に
も会わなかった。ん、初日は曇り、二日目は時々雨だったんだ。誰も登って来ないのは無理も無い。
 天候不良の黄葉の山を独り占め、豪華です
なあ。こうなりゃあ天気なんざどうでも良くて、一人の山を楽しむのだ。
 どうやって楽しむのかって?頂上で小雨を
楽しんだり、何も見えない景色を楽しんだり、濡れて滑り易い急な下りを楽しんだり、色々楽しみ方は有るもんなんです。そんな微妙な問題は放っといて欲しいですなあ。(何其れ)
 でも、雨の色付く山は、掛け値無しの幽玄
さで、あたしは好きなんです。一寸と変態っぽいって?違う、行って見れば分かるって。
 日光白根は、四昔前の春に、雪に登山靴を
蹴込み乍らピッケルも持たずに、五色沼を見下ろす地点まで登った事が有る。其処からは傾斜が増すので、其処で引き返したが、白銀の奥日光の山々は素敵だった。流石北関東の山々で有る。
 積雪期に登った奥日光の山は、日光白根だけ
なのだ。本当は彼方此方にお邪魔すべきなのだろうが、上越に関わりあって長いので、そっちに眼を向ける余裕が無かった。
 併し、上越の山ももうじき区切りが着く。
そうなりゃあ、奥日光か会津の山々へ眼が向くのだろう。尤も眼が向くだけで、体が向くかどうかは、分からないと言うのが、情無い事に現状です。
 上越の山に区切りを着けるとは、終ったと
言う意味で、全部歩いたとしようと決める事なのだ。決めるって何?
 其れは、上越国境線の東端は、景鶴山を通って尾瀬へと続いて居るのだが、入山禁止の景鶴山を登る気はあたしには無いので、景鶴山は上越の山から意識的に外して居るのだ。
 上州、詰まり群馬県、越後、詰まり新潟県。
其の県境を分ける長大な山の連なりを、上越の山と呼ぶ。やがて詳しく説明しましょう。
 其の上越の山と会津の山は親戚見たいなも
んで、双方共豪雪地帯、簡単に入れないのも共通して居るのだ。(最近は違う見たいだが)
 其の入り口が日光、或いは尾瀬。

 大分前から会津の山を睨んでは居たのだが、
もうじき入れるかも、知れない。上越が済むんだから。
 とは言っても、他にも行きたい雪山が目白
押しなんだし、其の上毎年体力は落ちるのだ。
 会津には行かずに死ぬのだろう、きっと。
 写真は、無断の借り物で(ペコリ)、会津の山からの日光白根方面です。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

なるほど、そうして区切りをつけながら山をやっつけていらっしゃるのですね。上越の山々 長く大きく連なっていて、冬は大変でしょう。
至仏山から尾瀬を歩いただけで、アゴを出したことがあります。水芭蕉の歌で有名なので、尾瀬をかるーく見ていたのでいけなかったのです。

kenzaburou さんのコメント...

至仏に登りましたか。
私は登って無いのです。尾瀬が足元に広がり、さぞや爽快だった事でしょう。

かるーく見たのは尾瀬で、至仏は尾瀬の横の山です。辛い思いは、誰でもすると思います。