朋友達と毎年旅行に行く事は、前に書いた。確か蕎麦絡みの話だった。今回は山絡みの話なので閑話だが、山嫌いのAN夫婦が居るお陰で殆どネタが無い。どうしてくれんだよ!
晩秋の那須温泉に行った。勿論、紅葉を愛で乍らだ。ゆっくり湯に浸かり、たらふく喰って翌日、茶臼岳のロープウエイに乗り込み、上の駅に降り立った。
此処迄登れば山頂は一時間も掛からない。ほんの直ぐ其処だ。其の上天気は良いのだ。あたしは「行こうよ、行こうよ」と皆を口説いた。当然ですよねえ、近いし天気が良いんだから。
渋って居たAN夫婦も(多分)仕方無く同意して、駅を出た。思いの外に風が強い。とは言っても、八ヶ岳と那須の山は風が名物、当たり前の事だ。現に観光客達も(含、我々)ゾロゾロと登って行く。
十分間も登ると、地形の変化の所為か、風は唸りを立てる強さとなった。其れで普通なのだ、那須の山はさ。同時に足元は霜柱と薄っすらと雪の道となった。其れで普通なのだ、晩秋の那須の山はさ。
とたんに踵(きびす)を返してAN夫婦が逃げた。其れは良い、想定内だった。悲しいのは、駅へ逃げるAN夫婦の後を追ってEMも戦線離脱した事だ。頑張ると思って居たのに。今頑張らずに、何時頑張るのだ。
其れから暫くでKJも、情無くも脱走した。無理は無いかも知れない。足元は霜柱と雪で良く無く、風はよろける程にはなって居て、外の観光客達も皆引き返して行くのだから。其の上、靴は普通のスニーカーか革靴だ。滑るわ寒いわかなわんわ、で有る。
でも、田舎育ちのKJがそんな根性無しでどうすんだよ!外の五人は都会生まれの都会育ちなんだぞ。AN婦人のNBなんざ浅草っ子だぞ。ま、だから気は荒いけど。
こうなりゃあ最後の頼りは、男気が売りのYNだけだ。喧嘩と根性、体力勝負のYN、よ、男の中の男!頂上に共に立とう!!
風は一足ごとに強まりYNのコートは、バタバタとはためく。突然「ご免!」との声を残し、YNが逃げた。そして、誰も居なくなった。アガサ・クリスティの世界ですなあ。
一人で頂上を踏んだ。二パーティの登山者が休んで居た。白銀の山々が迎えてくれる。
そうか、矢張り晩秋の那須の山は、登山者の領域だったんだ。短靴でコート姿の朋友達が逃げるのは、極めて当然の行為だったんだ。あたしも同じ姿だが、経験が違うから。
震え乍ら、神々しい迄の景色を楽しみ、雪と霜柱を蹴立てて駅へ走り下った。駅では朋友達が待って居た。
私「来れば良かったのに、綺麗だったよ!!」
一同はどっと笑った。
NB「(笑い乍ら)そう言うに決まってるって、話して居た処なのよ」
良い友人は、宝物だと思います。
4 件のコメント:
スニーカーや革靴の人たちは登山経験者なのか偶々そうだったのか??? ご自分の判断で帰るのだから屹度、経験されて居られるのでしょう。
オイラだったら足下がクラフトしたり霜柱だったらやはり下ります。でも、道に迷うかも知れませんね。
けんさんの真似して安全地直足袋かおっかな。
でも防寒性は悪いし。転んだら足首の捻挫、打撲とかですよね。
URL(リンク不可、本人の承諾が必要です)には息子の作品(世界で始めて虹色のガラス細工を作れたのです)を載せました。未だ食べられるところに行っていませんません。興味が有りれば私にメールをいただければ便宜を図れると思います。案外割れないのですが、大きいのは重いです。
あははは、、、良いお話です。
本当に気心知れた友達は 一生の宝ですねー。革靴、コート姿でも、山を見ると足が もう山頂に向かって登っているKENZABUROUさん、、、みな笑顔で待っててくれて良かった!
悪戯っ子さん
仲間は素人です。
何たってロープウエイの駅から山頂だから、45分位の整備された道で、夏なら観光客がゾロゾロ通ります。
Doglover Akiko さん
>本当に気心知れた友達は 一生の宝ですねー
全くそうです!
此ればかりは得がたいものですよね。
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