熊の被害が多い。去年はドングリ等の木の実が豊作だったので子熊の誕生が多く、今年は木の実が不作だったので食べ物に困って人家近くに現れると言う事らしい。十月末迄に被害者百八十人、うち死者は五人になる。被害者は過去最高だそうだ。
小学校近くで襲われた例もあり、人と熊の生活範囲が隣接している。それが時々ダブる訳だろう。そこに済む人達にとっては死活問題である。生活する場所で熊に襲われるのだ。
あたしの様に路もない山に入って行く変わり者(最近はやらない、と言うよりできなくなったが)なら自業自得である。そうではないのがとても困るし、怖い。玄関を出たら熊がいた、なんて恐ろしい生活は真っ平だ。
秋田県が被害の三分の一、知事が熊駆除を決めた。熊撃ち用の弾は数千円するので弾代金の補助も決めた。極めて当然の処置である。住民を守るのが知事の役職なのだから。
全国から抗議電話が秋田県庁に殺到した。熊を殺すな、と言うのだ。やれやれ、動物愛護の精神は素晴らしいが、その抗議は「地元の人間は熊に殺されても構わない」と言ってる事と同義なのだが、自覚してるのだろうか。
流石に自覚はしてないだろう。唯々熊が可哀そうと思ってるのだろう。もう一歩考えれば襲われる人も可哀そうと分かるのだろうが、そのもう一歩が考えられないのだ。
秋田県知事は「その手の電話は切る、業務妨害だ」と表明した。その通りである。知事は立派に責任を果たしている。あたしが言う立場ではないが「立派だ」と言いたい。
自分は危険のない場所にいて、危険に直面して対策をとる人や役所を非難する。これを卑怯と称する。自分がその場所にいれば「県庁は何をやってる、人の命をなんだと思ってるんだ!」と非難するのだろう。
一定数の卑怯者は存在する。卑怯者を敢然と切り捨てた秋田県知事、頑張って下さい。
0 件のコメント:
コメントを投稿