2023年9月26日火曜日

閑話 その四百二十二

 


 毎日毎日遭難の記事である。今年の遭難件数は過去最高だ。死者数は突出してはいない。既述だと思うが富士山と北アルプスが断然多い。一部情報だと奥秩父も相当多いらしい。遭難原因は、八月迄の集計では、転倒、道迷い(変な言葉)、滑落、疲労、病気の順番であった。詰まり、転ぶ、迷う、滑り落ちる、疲れる、発病するの順だ。

 三番目の滑落は即命に関わるが、他は助かる率が高い。携帯がある時代ならではだろう。でもですよ、一寸と情け無さ過ぎだと思ってしまう。富士山は観光地化したので別として、北アルプスや中央アルプスに入る登山者が、疲れて助けを呼ぶなんてナンセンスだ。余りにもお粗末ではないか。キツい言い方だろうけど、他に言い様がない。

 単なる憶測だが、昔は何て事なく歩いたルートを還暦過ぎて再チャレンジ、体の衰えに気付いた時はもう歩けなくなっていた。そんな例も多いのでは。

 数日前に空木岳(中央アルプスの名山)下山中の男性(74)から救助要請があり、雨の夜中に救援隊が出て背負って下山した。昔なら這ってでも自力で降りるか、一晩ビバークだろう。歩けません、って助けを求めるなら最初から登るな!

 人の事なので強い事が言えます。明日のあたしの姿かも知れないのにねえ。本人は歩けると思っていても体はシビアである。限界が来ればダウンする。

 死亡者の殆どは滑落である。北アルプスで五件、北海道で三件、各地で一件ずつ、二十人で他に行方不明者が二人いる。九月に入ってからも、北穂の滝谷でクライマーが一人、西穂から奥穂へのバリエーションで一人、大キレットで一人、都合三人も北アルプスで亡くなった。三ヵ所共ヤバい場所である。これは致し方ないのかも知れない。

 亡くなった方のご冥福を祈ります。

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