2023年9月20日水曜日

閑話 その四百二十一

 


 あたしが二年振りに塔に登った前日に、次女は奥穂から帰って来た。夜行バスで上高地に入り、重太郎新道で前穂へ登って吊尾根で奥穂へ行って幕営。最終日は涸沢軽油で上高地に下って帰京だった。

 幕営具を背負って前穂から奥穂、いやいや、あたしなんぞに真似はできっこない、空身で前穂に登るのでやっとなんだから。若さ(若くもないんだけどね)ですなあ。

 尤も、何だか荷物が軽いなあと思っていたら、火器と食料を家に置いて来ていたそうだ。親の子である、間抜けです。あたしも食料を置いて行った事が二度あるのでね、へへへ。

 小屋の幕営地だったので助かった。小屋でカップラーメンや羊羹を買って食事にしたそうだ。行動食はたっぷり持っていたので、朝飯は問題なし。コーヒーが沸かせないので、小屋の自動コーヒー販売を利用したと言うが、コンビニのあれがあるんですなあ。世の中は本当に変わったです。

 最終日の河童橋で前穂から奥穂の雄大な山なみを見て、荘厳さに思わず胸が熱くなったと言う。山に一礼して橋を降りた。一寸と恥ずかしかったけどと言うので、そんなこたあない、当然のこったと答えた。

 徳沢でソフトクリームとアイスコーヒーを買って一時間も休んだそうだ。バスが十五時にしかないので、時間が余って困ったと。呆れた、新宿行のバスしか知らないのだ。新島々行のバスに乗って電車で松本、駅蕎麦でも食べてから梓で帰れば良かったのにと言うと、え、知らなかっただって。おいおい、昔からの定番コースじゃないか。案の定帰りが渋滞し、新宿に着いたのは二十一時だったそうだ。時間を潰さずさっさと昔のやり方を取れば、十八時には新宿に着いていただろうにね。

 二日間猛烈な筋肉痛に襲われた。次女だから二日間だ。あたしなら、いや、そもそもそのコースはできませんなあw

0 件のコメント: