2023年9月17日日曜日

休題 その四百九十


  日本一有名な小さな市と言えば安芸高田市だ。人口僅か二万七千人弱の市が熱いのだ。三年前に石丸市長が当選してからだ。京大を卒業し三菱UFJ銀行入社、アナリスト(分析予測専門家)としてニューヨークに駐在。超エリートと言えるだろう。

 それがひょんなことから三菱UFJを退社して迄安芸高田市の市長になった。生まれは安芸高田市、だからと言ってそんなちっちゃな市の首長にならなくても良いだろうに。

 案の定疾風怒濤の市長生活が始まった。始まりは議場で鼾をかいて寝ている議員がいる、と旧ツイッターで呟いた事だ。早速呼び出され、法案を否決するぞと脅され、それを又旧ツイッターで呟いた。生意気な若造、と怒りを買ったのがそもそもです。

 メディアにも容赦ない。地元紙中国新聞には、取材不足、不正確、嘘を書く、と激しく攻撃し、中国新聞も其処迄言われてはと必死に反論して、能力の差を明らかにするばかりで討ち死にであった。その記者会見は百二十万回(!)も再生された。今はもっと増えているだろう。切り抜き動画も多数出ているので、合わせれば百五十万は行ってるかな。

 中国新聞に限らないだろうが、メディアの傲慢さ、詰まり自分は正しいと言う絶対的地位置付け、自分が糾弾されるなぞ間違ってるとのトンチンカンな思いが見事に浮き彫りになっているのだ。

 市長の手法、相手の嘘、間違いを容赦なく暴く、これは敵を造るに決まっている。市長は敢えて茨の道を選んだとネット番組で発言していたが、きっとそうだろう。

 戦う相手の後ろには市民がいる。本当のターゲットは市民なのだろう。市は二十年で財政破綻する。それを避けるには市民の抜本的意識改革が必要だからだ。財政再建には大きな痛みが伴う。それを先延ばしにして市民に甘い顔をするのは政治家として非である、と市長は言う。驚いた、飛んだ田舎に何とも立派な政治家が現れたものです。

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