2023年1月26日木曜日

休題 その四百六十二


  今評判の映画「すずめの戸締り」は新海誠監督作品なので「絵が嫌いなの」と妻は言うから、一人で観て来ました。

 「アバター」がトップになれないのは日本のアニメの水準が高過ぎるからと誰かが言ってたが、その通りだと実感させられた。”すず”は主人公の女の子の名前で”鈴芽”と書く。鳥の雀じゃないですよw

 3,11東北大震災が主要モチーフになっているので賛否両論があるが、あたしは全く問題ではなかった。3,11の被害者なら分からないが、辛い記憶とも折り合うと言うメッセージなので、大丈夫なのでは。あたしは相変わらず当事者でもないのに勝手を言ってますなあ。

 後ろ戸と呼ばれる扉から災害(この場合は地震)が巨大なミミズの様な姿で飛び出して来るのを留めて戸に鍵を掛ける役目を持つ青年(閉じ師と呼ぶ)、宗像(むなかた)君と出会って地震を停める為に飛び回るって話。

 何でそんな騒ぎになるのか。すずめ嬢自身3,11で両親を亡くして叔母に育てられた。その自分の辛い過去に自ら封印を無意識にしている。その幼い時に後ろ戸を越えて来た未来の自分に会っているのだ。その時重要な道具(?)となる、母手作りの椅子を渡される。新海監督お得意の時間逆行(或いは先行)である。これをやると無限ループに陥らざるを得ないのだが、今は野暮を言うまい。

 新海監督はベタでなければ大受けはない、と妥協したと前に書いたが、立派にベタを貫いていて効果を上げている。ベタベタにならない範囲を心得ているのが宜しい。

 ん、ネタバレやっちまったかな。それでも構わないのだ。筋が分かっていても問題ないのがこの作品だ。荒唐無稽な癖に何か心に響いて来て、何となく泣かされてしまった。新海作品には独特の魅力があるのだろう。

 未だ絶賛上映中、宜しければ御覧になる事をお勧めします。

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