まあないだろうが、ひょっとすると初めて人が通った可能性があるルートを二つ、あたしとYが通ったかもしれない。
と大仰に書き出したが、ナイナイ、絶対誰かが通っている。マタギだったり山ガツ(戦後間もなく迄存在が確認されている山に住む人々)だったりが行動した筈だ。
こう言い直しましょう、この五十年誰も通らなかった所を、あたしとYが通ったかもしれない、と。
一つは白砂山へ向かう上越主稜線へ向かう枝尾根。何でそんな変な尾根を選んだのかは今になっては分からない。余程変なルートをやりたかったのか変な物でも食べたのか。雪の異常に少ない年で、初日は唯々藪漕ぎ、ヒエーッてな思いをさせられた。「山の報告 白砂山ⅰ」に詳しい。
マタギもあの尾根は通らないだろう。あの近辺で猟をするなら谷を進むに決まっている。だって、全然見通せないし前進が偉く困難なんだもん(涙)。獲物だってそのなとこ、嫌うんじゃないのかなあw
もう一つはモチハギ沢、道志川の沢である。ここも先ず人は入るまい。途中迄はハンターでも猟師でも入るだろうが、詰め上げは絶対にしない。現に道志村で登った人はいないと言うのだ。「山の報告 モチハギ沢」に詳しく書いてある。
小沢なのに詰めがキツい。大体どこでもそうなんだけどね。当時だったから何とかやったが、今の二人の筋力では撤退の一字である。ザレガレは筋力がとても必要なのだ。
以上二ルートはこの半世紀のうち、我々が初登りをしたんじゃないかなあ、と思うのです。登山者は見向きもしないし、プロでも嫌がるに決まっているので。
いやいや、好き者なんですなあ。好き者はあたしがであって、Yは付き合わされた被害者です。思えば散々変なとこを歩かされたYも、結構好き者になってたりして。ん、って事はどっかの好き者がモチハギ沢を詰めてるかもねw
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