2022年12月15日木曜日

休題 その四百五十四


  父はボクシングフアンだったので、試合の放映があれば必ず見ていた。依ってあたしも子供の頃から父と一緒にボクシングは見ていたが、別に興味は湧かなかった。

 最近は違う。モンスターと呼ばれる井上尚弥が楽しみなのだ。”日本の至宝”と迄呼ばれるだけの実力がある。明らかに天才なのだが、本人は天才と言われる事を嫌がる様だ。努力の結果なのだ、と言う。いえいえ、天才が並外れた努力をした、って事でしょうが。

 十三日にバンタム級統一王者決定戦が行われた。知ってる人が殆どだろうけど説明すると、ボクシングには四つの団体があってそれぞれにチャンピオンがいる。井上はそのうちの三団体のチャンピオンで残るは一団体、そこのチャンピオンと四つのベルトを賭けたのだ。相手は英国のポール・バトラー。

 先ずはバトラー氏に感謝する。勝ち目が殆どない試合を良くぞ受けて下さった、と。相手が逃げたら統一選は不成立だ。尤も試合ではバトラーは逃げ回った。ガードを固めて攻撃より防御に力点を置いた。KOされずに隙があったら打ち込もうと言う戦術だろう。

 井上は多分イラついただろう。仕舞には手を後ろに回し、顔を突き出して挑発した。それでもバトラーは乗って来なかった。余程井上のパンチが怖かったのだろう。11ラウンド迄パンチを受けながらも頑張って立っていたのは立派だと、皮肉ではなく思う。

 テレビ放映はなくネットだった。放映権が高いのもあるだろうが、井上の試合が短く済むのが理由だろう。3ラウンドKO、2ラウンド、下手すりゃ1らうんどKO。残った時間をどうすりゃ良いんだ? テレビ局は手を出せなくなっちまった。今回は11ラウンド迄戦ったのだが、例外です。

 早速バンタム級王者を返上し、一つ上のスーパーバンタム級で戦う宣言をした。きっと彼ならやる、と大いに期待してます。

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