2022年5月19日木曜日

閑話 その三百七十八

 


 今月十二日に爺ケ岳に登って行方不明になっていた倉敷の七十三才男性の遺体が、十六日に発見された。

 その前に九日から白馬に登って次が爺ケ岳の予定だったのだから、あたしなんかと比べると凄く強い登山者だった。そんなベテランでも滑落するのだ。冥福を祈るばかりです。

 写真はSNSから無断借用しました、済みません。何時もなら下らない冗談の一つも書くのだが、今回はそんなバカはできません。

 五月の爺ケ岳だ、登山道は通れないので南尾根を登ったのだろう。そこで400m(!)滑落して亡くなった。あたしが積雪期に登ったのは、二十年程も昔になるので詳しくは記憶してないが、滑落しそうな場所はなかったと思う。雪の状況は毎年変わるので、きっとそう言う状況になっていたのだろう。

 積雪期の爺ケ岳は入りやすい事もあって、比較的人が多い。とは言っても無雪期と比べての話で、全く人に会わないのが普通だろう。SNSでは積雪期の単独行は禁止しろ、なぞのコメントがあったが、パーティであっても400mの滑落では助けようもない。遺体の発見が容易になるだけだ。それだけでもご遺族には良い事かも知れないが。

 あたしの様な弱い奴が言うのも憚れるが、白馬だけにしとけば良かったのに。それだけでも立派に山行成立である。その帰りにもう一つ日帰りピストンはきつい。倉敷の人があたしとは違う事は分ってます。でも、自覚しない疲労は絶対に残っていただろう。七十三才ですよ。

 疲れているとバランスを崩し易い。普段なら何でもないバランスの崩れを立て直せない事もあるだろう。決して責めてなんていないですよ。車で移動し乍らピストンをするのは便利ではあるが、疲労も溜まるだろうなと思うのです。

 若ければ何でもなくても、初老に入ったなら、同じペースは通用しないと思っています。

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