2022年5月1日日曜日

山の報告です その百十六


  下り始めると、中年の単独行者男女それぞれ一人と擦れ違う。車を登山口に置いて登って来たのだろう。「生憎な天気ですねえ」「今日は良い予報だったんですが」。このやり取りはこれから何度も繰り返されるのです。あたしだって、この日が最高と思って来たんだよ。畜生、ガスのバカ!

 暫くして中年男性二人のパーティ、続いて初老男性二人のパーティと擦れ違う。初老の一人が「下のテントですか」と聞くので「はい」「やっぱり」。このやっぱりは、あたしのアタックザックの軽装と時間を見ての事だろう。良い読みです。

 テントに着いて行動食を摂る。ピストンは地図上四時間弱なのに、五時間掛かっていた。昨日の疲労はたっぷりと残っているのですなあ。登りであんなになっちまったんだから、下りだってあんなになっちまうかも知れない。確り休んで食べなくては。

 と思ってるうちにガスがたまに切れて山が見え始めた。平標方面はガスに覆われている。従って登った諸君は展望なし、気の毒だが山のお天気は運しだいさ。

 単独男性と中年パーティは降りて来た。単独女性はあたしがテントの中で荷詰めをしてるうちに通り過ぎたかな。初老パーティは平標小屋泊ではないかな。どうでも良い事ですな。あたしはどうでも良い事が好きなんでね。

 テントを畳もうとすると苗場山が姿を現した。上の写真がそれで、右のカーブを見ると、積雪期の登降の厳しさが分かるでしょう。どうしてもジグザグにルートを取るしかなく、凄く嫌なトラバースになっちゃうんです。

 風の中で撤収、蝶ケ岳のドジは繰り返さない。最初にポールを抜いておく。さもなきゃテントが風船の様に空に舞うのだ。手を離したらお仕舞ですよ。すっ飛んでしまうw

 地図上下りは一時間十五分、それを二時間以上の余裕を見て下り始める。(続)

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