2022年3月20日日曜日

休題 その四百十八


  今更乍らで、あたしらしくて良いやと開き直っちまおう。「ララランド」を観たのだ。七年前に評判になったのに観なかったので。ネタバレし放題になると思うので、これから観るつもりの方はご退席をお勧めします。

 派手なミュージカルらしさは冒頭のみ。後はミュージカルとしては地味系だ。展開は確りしていて、ストーリーに引っ張られる部分が大きいと思われる。アカデミー主演女優賞のエマ・ストーンを褒める人が多い様だが、あたしにはライアン・ゴブリンズの魅力の方が大きく感じられたね。

 最大の争点(?)になったラストだが、感想ではハッピーエンドではないがハッピーエンドだと解釈する人が多かった。意味不明ですか? 二人の主人公がそれぞれの夢を実現させたから。でも、二人は別れたんだけどね。

 それぞれの夢を叶える為には二人の愛情が必要だったのだが、それぞれの夢は二人に別々の道を歩ませた、ってとこかな。切ない状況ですなあ。

 さて問題のオーラス。別の男性と結婚して子供もできたエマは、ある晩旦那と一緒にジャズバーに入る。そこがライアンの店だった。エマの姿を認めたライアンは、昔良く弾いた旋律をゆっくりと弾く。そこから一気にエマの幻想になだれ込む。

 ここいらで混乱した人が多いと見えて、分らんラストだとの書き込みが結構あるのだろう。あたしは一瞬ニューシネマパラダイスと被った。その切なさがほぼ同一だから。

 幻想から覚めたエマは微かに微笑み、ライアンも微かに微笑み返す。エマ夫婦は店を出て行く。

 途中で眠くなったらしい妻は、結局最後迄見終わった。決してつまらない作品ではない証だ(妻はつまらない作品発見機?)。冗談ですよ、詰まらないなんて飛んでもない、確り心に残る作品です。

0 件のコメント: