2021年11月19日金曜日

閑話番外 その百二十四

 


 ”時代”なんてラベルがあるので、ついどうでも良い昔話をしちまう。年寄りの悪い癖ですなあ。

 登山に対する怖れがほぼ消滅したかに思える。昔は、山は危険だ登山はするなと言われ続けて、それでも尚、若者は山に向かった。群れを成してだ。でもですよ、山は危険との認識は心の底に持っていた。

 今は山は地上の延長の様に感じてるのだろう、と古いあたしには見える。特別な場所ではなくなったのですなあ。勿論、その壮大な景色、見事な天然現象、さわやかな風、神々しい迄の冬山の美しさ、お花畑の可愛らしさ、山小屋でのくつろぎ、それらは変わる事がないのだが、環境が変わった。

 小屋とコースが整備された。それも半端なくにだ。小屋に関しては何度も書いたので繰り返さないが、昔と比べると高級ホテルと言って良いだろう。

 コースで言えば、危なっかしい丸太橋は確りと整備され、渡渉も道ができてなくなり、吊り橋の連打も林道が伸びて消え、鎖や梯子も確り掛かった。

 何よりも装備が変わった。レシプロ機からジェット機に変わった位に変わった。詰まり別物になったと言う事なのだ。

 オーバーミトンだって、昔は革製で肘迄の長いものだった。重量だって多少はある。革製ででかいんだから(くどい?)。何でそんな騒ぎになるかと言えば、物凄いラッセルを一日中やってる状況を想定してるから。肘迄なければ雪が入り放題になる。何故革製か、雪が溶けた水が染み込まない為と、丈夫な為。

 今はゴアのグローブですよ。手首迄なの。軽くて保温力もあるので、普通の冬山ではそれで充分なのだ。物凄いラッセルをしたいパーティは、それなりの物を揃えなさいってこってす。大衆化したですなあ。オーバーミトンの話だけど、一事が万事の違いです。

0 件のコメント: