2020年10月3日土曜日

閑話 その三百二十七


  急に涼しくなったのは目出度いと、先月二十九日に塔に登った。外に行くとこねえのけえ? 尤もな問いかけである。あるんだけど、日帰りで温泉に入れて、となるとですよ。

 例に依って一番バス、二十人一寸との客だ。トップで歩き出す。さて、何人に抜かれる事やら。結局四人に抜かれただけだった。あ、トレイル三人は別ですよ。

 駒止の先で三人の男性パーティを抜いた。詰まり車かタクシーで来た諸君だ。丁度その時トレイルの若い女性が抜いて行った。私に一瞥もくれずに「一番バスのトップだね」とか声をかけている。女に弱い中年達だ。女の子に「二番バスです」と返されていた。しかし何たる速さ。

 パラパラ雨が降って来た。堀山の家で休んでいた単独男性は「雨具を着ると止むんですよね」と言う。上は降ったり止んだりなのだろう。彼は二股へ下って行った。割と経験者だったのですな。

 長袖のシャツ一枚で腕まくりしていたので、花立小屋前では手がかじかんでカロリーゼリーの蓋が開けられない。ウヌグググと頑張ってやっと開けた。外の諸君はバッチリ雨具を着込んでいるが、無精なあたしはその侭の姿なので、しなくて良い苦労をする。

 頂上はガスに煙り寒い。三人程が休んでいる。ポツポツと登って来る。さっさと下り出すと、花立迄に二十人近くと擦れ違う。皆さん一番バスだろう。あたしと殆ど変らないペースで後ろから来ていた訳だ。因みに、見たとこあたしが一番の年配者の様だ。

 そのうち二番バスの諸君も来る。あたしと同年輩らしい夫婦が来る。夫婦で塔を、それも余り天気の良く無い日に登るなんて、立派である。妻が登れれば連れて来たいが無理なので、高取山でもやっとだろう。

 結局前回と同じ五時間十分で大倉に着いた。涼しい、場合に依っては寒い中なのに、良いタイムではない。ま、こんなとこさ。

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