大腿四頭筋が頼りにならない急な下りは恐ろしい。いっそ岩稜が続いて欲しい。手が使えるからだ。え、それはもう書いたって? いやあ直ぐに忘れるもんだで、ゴメンネ。
よらつき乍ら下る。前面はガスが晴れ、岳沢が綺麗に開けている。
そして稜線もはっきりと見えて来た。それが冒頭の写真。何だよー、普通は朝晴れていて、昼近くになるとガスが湧くもんだろう、これは真逆じゃないかよお。ゆっくり出発したもん勝ちなのかよお。と、悔しがっても無駄ってもんだ。天気は運。晴れるもガスるも運次第。一つ間違えれば転落死していたのだから、景色如きでブーブー言うべきではありませんなあ。
やがてヒュッテの屋根が大分下に見えた。取り敢えず嬉しぃ。いや、とても嬉しぃ。自分の足が信用できないのだから、大いに喜んで然るべき状況である。
未だ昼前だ。岳沢であのべったりとくっついて来るツェルトで暮すには早すぎる。と言っても上高地へ下るには、頼りない足が心配だ。何だか西穂の時も同じ事で悩んだ覚えがある。あたしの永遠のテーマかいw
決めた。先ず幕場で大休止する。それからゆっくり下るが、三十分に一度は休む。強制的に休む。これなら何とか下れるだろう。小梨平キャンプ場は河童橋から直ぐだ。よし、そうしよう。
幕場で休んでいるとぽつぽつと登山者が降りて来る。多くは若者だ。ガレを越えてヒュッテに向かうが、皆さん今日中に帰宅なのだろう。爺さんとは全てのペースが違うのだ。
空は綺麗に禿げ上がった。晴れ上がったって書きたくない気分なのだ。ブツブツ言わないって決めたのに、未練ですなあ。
荷物を纏めてガレを渡りヒュッテに着く。数人がのんびりしている。あたしはのんびりしてられない。眦を決して下りに掛かる。オーバーですなあw(続)
0 件のコメント:
コメントを投稿