2019年6月3日月曜日

閑話 その二百八十七



 相変わらずガスである。ポツリポツリと滴がツェルトに当たるが雨ではない。大きな樹の下なので、樹にガスが付いて滴となって落ちるのだ。三十年以上使っているツェルトは防水力を失くし、中は雨漏り状態である。
 ツェルトの撤収は簡単で、数本のペグを抜きバサッと水気を払って、くるくると巻いてお終い。即ザックを背負って下りに掛かる。
 下り始めるとガスが上がって来た。山々も姿を現す。唐松に新芽が吹いていけど、残念だが日が射していないので写真にはならない。
 大室山の下りはYに取って鬼門だ。何時でもメロメロになる。ひどい時は膝が笑って往生極まる。品川駅やコンビニ前で腿に力が入らず、尻餅をついたのはその時の事だ。
 今回はやけに順調に下っている。谷川岳から半月、あの訓練(?)が効いているのだろう。これが二ヶ月後だったらこうは行くまい。
 稜線を分岐で離れて間もなく大植林帯に突入し、後はひたすら植林下りだ。それが嫌なら犬越路ルートを行くしかない。分かっちゃいるんだけど、何の面白味もないので、つい愚痴の一つも出ようってもんです。
 神ノ川ヒュッテに着くと一面の緑だ。五月晴れってえのはこうでなくっちゃさあ。植林帯は晴れてようと降ってようと、どよーっと鬱陶しいばかり。あ、言わない約束。
 車に乗り込んで暫く走り、コンビニで飲み物を買うのが習いだ。何時も車から降りる時、Yは膝がガクッとするそうだが、今回はそれ程でもなさそう。悠々ですなあ。
 町田のガストで食事と一杯。今回は成功を祝しての乾杯なので気分は上々だ。大室山で成功なんて言ってる時点で、訳が分からないのだが、失敗がそれだけ多かったのですよ。情け無くはあるけど、現に登り切れない日々が続いていたので仕方ない。
 Yも荷物を軽くし(何せ余分な物が多い)、月に一度は山に登れば大丈夫って事でした。

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