2019年6月17日月曜日

閑話 その二百八十八



 梅雨の合間の晴れ日があったので10Kgを背負って高取山へ出掛けた。飽きもせずに行くもんですなあ。梅雨なもんで大山行バスも待つ人は少ない。
 栗原行きの運転手は珍しくも若者だった。運転手の殆どが年配者なのにね。若者は元気で気持ちが良い。「お早うございます、栗原行きです」と言い乍らバス停に入って来た。
 三叉路で降りる時、残った客はあたし一人だった。
運転手「聖峰に登られんですか」
私「そうです」
運転手「天気が良いですから、私も登りたいですよ」
私「そうでしょう」
 昨日迄ずーっと雨だったのだ。陽が出た一日、勤務で山へ行く人間を乗せるってえのも、一寸と悲しいものがありますなあ。
 五月の下旬に10Kg背負って、二時間三十九分で里湯に着いたのだ。目標にしていた二時間四十分を、僅か一分とは言え早々に切ってしまった。それで甘く見るのがあたしの真骨頂、もう少し良いタイムを、なぞと不遜な考えを起こしちまったですよ。
 このコースで負荷を掛けて、変に急いだら碌な事にならないとは、散々ぱら思い知って承知しているのに、助平心に負けて自らの法度を犯し、急ぎ気味に歩き出した。殆どバカですなあ。
 もう立派に蛭の季節なので、草の茂った九十九曲がりは避けて自動車道を行く。草から蛭がくっ付いて来る場合も多々有るのでね。
 聖峰に着いた時は汗ビッショリだった。蒸さない爽やかな日だったが、少々急いだのが効いたのだろう。少々、でも効く時は効く。大体からして初っ端から急ぐってえのは、頗る危ない行為だ。
 その報いは階段に掛かってから思い知った。兎に角キツイ、足が上がらない。(続)

3 件のコメント:

悪戯っ子 さんのコメント...

オイラはスキー場のバイトでパトロールをしていました。ストックなしで両肩に塩を二袋担いで、降りるのです。春のピステは勾配のきつい処に泥がでます。そこに思いっきり塩を撒くのです。すると、やがて青氷になる。
理の当然。みんなが転けるが仕方ない、仕事ですから❗

悪戯っ子 さんのコメント...

浦佐スキー場は、SAJの本拠地でデモ戦一位の人を筆頭に指導員が何と、50人。パトロールは、20人いました。指導員は概ねパートタイマーですが、農家だったりトラック運転手もいます。オイラは東京からで、如何に回転で入賞してても地元の中学生にも敵いません。唯一横浜から来たのがオイラより下手でした。

kenzaburou さんのコメント...

青氷造り?
何と恐ろしいバイト!

浦佐の諸君はスキーが下駄代わりだろうから、滅茶苦茶巧いんでしょう。
悪戯っ子さんより下手が一人だけとは、何と言う世界なんだろう。