2019年6月20日木曜日

閑話 その二百八十九



 階段を上り詰めて稜線に立った時は、フーフーハーハーと大騒ぎ。未だ終わりではない、頂上への最後の登りがある。普段なら何て事無く登るのだが、フーフーハーハーになっちまうと、その長く感じる事、上体迄左右に揺れる情けなさ。
 ふと人の気配を感じたら、右方を短パン半袖トレイルの女性(四十才位)が抜いて行く。
その女性「足袋、カッコ良いですね」
私「いやいや」
 何時もなら“豚もおだてりゃ木に登る”あたしは、フッフッフ、カッコ良いって言われちまったぜ、とご満悦なのだが、この日は違う。カッコ良くなぞない。やっとさっとこ、荒い息使いで上体を揺らして登ってるなんて端だ! ったって全くそうなんだから仕方ないですなあ。
 下りに掛かっても結構キツい。一生懸命歩いてるって感じである。バテてるなあって感じで、それでも歩度は落とさぬ様勤めてるんだけど、登りになると息が上がる。
 結局里湯には二時間五十分掛かって着いた。いやあ、掛かったもんですなあ。四十分を切ったなんて喜んでたのは幻の如しですよ。
入浴と相成った訳だけど、湯から上がると立ち眩みして膝を着いた。横倒しにならなかっただけ上々だ。退院後に弘法山へ初挑戦した頃を思い出したですよ。
 電車に乗って相模大野に着く迄目を閉じて座っていた。寝てはいなかったがだるいのでそうしていたのだ。相模大野だなあとぼんやりしていたら、なかなか町田に着かない。見ると緑の中を走っている。え、町田へは町続きじゃねえのけえ。
 そして新百合ヶ丘に着いた。町田に着いてもぼんやりしてて乗りっぱなしだったと言う事だ。全然ダメじゃんさあ。下りに乗り換えて戻るお粗末さ。
 決して急いじゃいかんです。トホホ……。

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