2019年4月3日水曜日

閑話 その二百八十二



 幸い雨は上がった。張った場所が低いのだから、下りも楽な筈だ。撤収し下り出すと間もなく展望が開けた。正面に蛭ヶ岳だ。檜洞丸は大コーゲに隠れて見えない。写真はその大コーゲです。
 直ぐに植林帯に飛び込む。大室山西面は見事に植林に覆われているのだ。だもんで登る時、どこにでも取り付けばいいや、と言う不健全な思想が頭をもたげたのですなあ。
 植林帯の九十九折れの下りは面白くもクソ(失礼)もない。同じ陰鬱な植林が続くのみなのだ。尤も登りよっかはずーっと増しだ。何たって下りは楽なもんで。
 楽とは言うものの、段々Yは遅れ始めた。昨日のダメージが残っているのだろう。筋肉が疲れていると、九十九折れの下りだって効いて来るものなんだ。
 膝が笑うとひどい事になっちまうが、そこ迄には至らない様だ。前々回の時は、そりゃあひどい目にYはあったのだから。
 Yはストックを頼りにトボトボと下っている。すっかり見慣れた風景ではあります。本人には大変な事で、そうなった限りは、バランスを崩すと直ぐ転ぶ。従って気を抜けない。転んだのは二回だけだったのは幸いでした。
 ブル道が右に現れた。適当な所でブル道に降りる。凄いガレだ。こんなとこをブルは上り下りするのだから、偉い馬力なんだ。思いの外に下り辛いが、最短距離なのだから良しとしよう。
 川に下ったらもう車は直だ。少々頑張ったらボロ車が待っていた。四十才位の男性が仕
度をしている。聞くと風巻ノ頭から姫次へ行き、蛭をピストンすると言う。若さですなあ! そんなの考えただけで疲れちまうぜ。
 車で町田へ、そしてガストで一杯やって、と何時ものパターンである。春山が終わったら暑くなる前に、打ち合わせ通りにツェルトで大室を目指します。

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