2019年1月4日金曜日

山の報告です その八十二



 話は戻るが、小屋に着く迄に幾つものパーティ或いは単独行者と擦れ違った。半数以上の人がチェーンタイプのアイゼンを着けていた。普通のアイゼンは数人だった。あとは靴のみで歩いていた。
 成程、チェーンはこういう使い方をするんだ。簡単に着脱できて、凍った山道には最適だ。それにしても皆さんの情報収集の速さには驚かされた次第。
 さて行者小屋に着いたのは十四時十五分、丁度四時間掛かっている。地図上は三時間のルートなのだ。幾らガス欠だったってこんなんじゃ明日の赤だけ登頂はできるのけえ?
 小屋に入ると別世界、暖かいのだ。自炊場は前と同じく玄関横。前と違うのは禁煙になった事。時代の流れで仕方ないですなあ。喫煙所は変な小屋の中。靴下で其処迄歩いて行くだけで冷え切ってしまうのだ。
 コーヒーを沸かして飲んでいると、隣の机のパーティが賑やかだ。「葛湯飲まない?生姜入りだから温まるよ」。下さい、と言いたくなっただよお。
 素早く夕飯を済まし、皆の夕食(十八時)の前に寝る。ふと目覚めると十八時五十分、お隣さんも夕食から帰って来ていた。水を飲み、ついでにウイスキーを飲んでお隣さんと暫く山の話をして又寝た。ぐっすりとは寝られないのは何時もの事。途中でトイレに行って偉く寒い思いもするし。
 ふと気付くと四時十分。自炊室は冷え切っているが表よっかは遥かに増しだ。自由に使える大鍋の水も半分凍っている。先ずコーヒーなのは何時もの通り。但し、一服はなしなのが悲しい。
食事を(カップ麺とパンなんだけどね)済ましてセーター姿で表に出て一服つける。未だ真っ暗だ。二人の男性が今着いた様だ。これから登るのかと聞くとコーヒーを沸かして飲むと言う。南米系の外国人だった。(続)

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