2018年3月31日土曜日

休題 その二百十三



 妻は前は山に登ったが、今は弘法山がせいぜいだと閑話に書いた。腰と背中に難点が有るので仕方ない。本人も直そうとして、水中ウオークをしたり、弘法山に行こうとしたりと努力はしている。
 たまに弘法山へ行こうとすると、穿くズボンが無いと言い出す。タイツの上に短パンか巻きスカートがあれば上等なのだが、それが無いのだ。ユニクロには売ってないらしい。登山店で買うと軽く1万円はする。
 タイツったって皆さんの穿いている高機能ではなく普通の物だ。弘法山なら、それで充分なのだ。
 じゃあ普通のズボンで良いじゃないか、と言うと、膝が引っ掛かって歩き辛いと言う。膝が引っ掛かる位何だってんだよお、あたしなんざ作業ズボンでアルプスだって登るんだぞ、と言うと貴方とは違うとのたまう。
 そりゃそうでしょうよ。膝を思いっ切り上げる時はズボンをつまんで登るのだから手間だけど、それでずーっとやって来たんだから経験豊富って事だ。だから妻だってやれば出来る筈だ。
 と考えるあたしは、結構冷たい奴ですなあ。ハイカーのズボンはストレッチが効くのだ。そりゃあ歩き易いと聞く。だから一々ズボンをつまんで登っている人を見る事がないのだ。
 とは言え、ないものはない。リハビリの為なのだから贅沢言うんじゃないって気持ちで、だったら膝の下を紐で縛れば良いなぞと言う始末だ。ついでに髪をミズラに結え。勾玉の首輪もしたらどうだ。
 暴言ですなあ。多少酔ってはいたけど、流石に膝下を紐で縛るのは無いだろう。凄く楽だろうけど神代時代ではないのだ。
 結局妻は膝の引っ掛かるズボンで出かけた。特に問題無く行って来たのだから、やれば出来るってこった。でも一寸と気の毒なので、短パンをプレゼントしようと思ってます。

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