2018年3月18日日曜日

休題 その二百十二




 日本酒は火入れをして、発酵を止めて売っている。たまに火入れをしないで発酵中のものを売る事もある。生酒である。濁りにそのタイプが多い。蓋に穴を開けて容器が破裂しない様にしてあるので、横にはできない。
 これはとても旨い。飲んでも発酵は続くので後でぐんと効いて来る。ヤマタノオロチが飲んで首を斬られたのも、そのお蔭だ。
 Yが里湯で秦野の造り酒屋の濁りの四合瓶を買った。蓋に穴があるので横にしない様にと言われ「生酒ですか」と聞いても、売店のおばさんには意味が通じなかった。
 勿論生の濁りに決まってる。その旨さはYも先刻ご承知、もう一本あった四合瓶も買い込んだ。ついでに肴としてノビロも買って、袋に入れてぶら下げて帰ったのだ。
 準現役(退職して契約社員)は強いですなあ。あたしなんざ濁りを二本も買ったら、小遣いが吹っ飛んじまう。
 前に伊勢原の造り酒屋の濁りを買ったのは既述だった。店を出て道路に立ってグビグビと半分程飲んでしまった。其れ程美味しいものなのです、生酒ではなくとも新酒の濁りってものはですよ。
 あたしが二本買って帰れば、二日とはもたずに飲み干すだろう。それで二千円一寸とは痛い。尤もそれだけ美味しいんだけどね(くどい?)。
 旨い日本酒は怖い。どんどん飲んじまうだでよお。下手すっとベロベロになって、大騒ぎをするかも知れない。良い歳喰ってそんな様は真っ平御免蒙る。まあ、たまにやっちまうんだけどね。あたしには不味い酒位がお似合いだってこってす。
 Yはチビチビ飲むタイプだ。飯はバクバク食べるが酒は違う。従って二本の四合瓶で何日も楽しめる事だろう。Yにこそ濁りの生酒はお似合いなのだ。
 里湯の売店は楽しいですよ。

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