2016年12月2日金曜日

閑話 その二百八




 花立から先は何処も彼処(かしこ)も色付いて居る。景色を見乍ら最後の登りに掛かったが、思った程でも無く頂上に着いた。晴天の所為だろう、人で一杯だ。
 これから“下り飽き”が待って居る。写真を撮ったら即下り始める。木の階段を続々と登って来る。皆さん若いなあ!
 前を行くおばさん二人。
おばさん「登って来る人、皆ヘロヘロね」
別のおばさん「そうよね」
 何を言いますか。塔の最後の登りは大抵そうなの。此の日は若者が多かったので未だず―っと増し。あなた達だって此処を登って来れば、嫌でも分かるってさ。と心の中でブツブツと異議を唱えて居たのだ。
 下りは楽で速い。何と言う事なく金冷の分岐に着いた。登りは頑張ったのにさあ。相変わらず行き交う人が多い。晴天の土曜日です。
 花立に登り返し、小屋へ下って行く。歩きにくい路を結構下る。若い頃は小屋から花立へは、直ぐ其処って感じだった。今ではちゃんと登る(この場合は下る)感じだ。月日の流れには逆らえないものですなあ。
 大階段を幾つものパーティが登って来て、申し合わせた様に小屋前で休む。其れを横目に大階段を下る。一ヶ所小さな渋滞が有った。六十歳位の男性が階段の端に座って居る。其れが渋滞元。途中でへばったって事で、お気の毒で有る。一つ間違えればあたしの姿だ。
 あたしは幸いな事に筋肉にも間接にも(今の処)異常はない。余り調子に乗らないに越した事はない。何たって二度目の塔なのだ。
 大階段を下り切るとガラガラとなる。時々中高年のパーティが来る。皆さん結構参って居る。路を譲ると「有り難う御座います」と小声で通って行く。よっく分かる。小声を出すのだって辛いのだろう。
 一方、若者達は元気に挨拶して擦れ違う。若さは力なのだ、続きます。

0 件のコメント: