2016年12月9日金曜日

閑話 その二百九




 吉沢平には木道が出来ている。冬は泥んこ遊び場そのもの、半端じゃない泥濘になる場所だが、此れからは大いに助かる訳だ。
 処で、下りの記述の方が多い。登りは唯必死、登り着く事しか考えてないので、余所に気を配ってる余裕が無いって事なのだろう。まあ、此の情けない状況は暫く続くでしう。
 堀山を越えても未だ未だ登って来る。未だ午前中なんだから当然だ。何で何時もより一時間以上も早くスタートしたかと言うと、途中下車して温泉に入る為だ。へへへ、すっかり癖になっちまったもんで。
 休憩は一本松。楓は未だ青い侭だ。もう一寸とで色付くだろう。此処からは楓がうんと植えられているのだが、一度も色付いた時に当たった事が無い。絶対にそのうちにね。
 下り始めたら、中年の十数人のパーティと擦れ違った。きっと何処かで泊まりだろう。暫く下で、同規模のパーティがもう一つ。塔か丹沢だろうが、小屋は賑わう事だろう。天気は上々、夜景も朝の景色も最高に決まってる。大阪のパーティも良い日に来ましたね。
 見晴らし小屋を過ぎると、流石に地下足袋の足の裏が痛い。石を敷き詰めた所は特に痛い。尤も、石を敷かなければ見る見る土が削られ、水が流れて尚も土を流し、滅茶苦茶になるのだから仕方ない。此処は我慢だぜ。
 もう殆ど登って来る人はいない。たまに会うのは小屋泊まりと決まってる。秋は日が短いのだから。
 大倉に着いたら十二時十七分。出発が七時七分だったから、五時間十分だった訳だ。我乍ら一寸と感心する。思いの外速かった。
 やっと、塔に登って来たと思えた。矢張り嫌な馬鹿尾根を登降しなくちゃ、納得出来ないって事で、バカですなあ。
 いそいそと鶴巻温泉で下車、もう一度行こう決めて居た梵天荘へ足を延ばし入浴、さっぱりして帰宅したのでした。

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