2015年9月26日土曜日

暑さの夏は避けるが常道 その二




一方のYは熱暑の馬鹿尾根を必死に登り、塔寸前で大腿四頭筋がつった。バルコニー(其の意味は随分昔の「大倉尾根」を参照下さい)に入ったのは当たり前田の、だ。
 丹沢山ではへたり込んで、カルピスウオーターを買って飲み、不動ノ峰の水場では、何と三十分以上も休んで水を飲み狂い、やっとこさっとこ蛭に辿り着けた、と言う凄ざまじさだと聞いた。
 特に暑い日では有った。記録的だろう。私も帽子のつばからポタリポタリと汗が垂れ落ちる有様で、すっかり夏の丹沢の凄さを満喫した次第。丹沢であそこ迄暑い日は、他には知らない。尤も世界的異常気象なので、又経験出来るのかもね。
 人間とは、私だけでなく(私を含めた多くが馬鹿って事で一寸と嬉しいんだか、悲しいんだかねえ)馬鹿なんだなあ。自分の首を一生懸命絞めてるのだ。きっと、世界的な異常気象の原因は、我々人間共の節度無い営みの結果なのだろうと思う。
 平成二十四年八月、私が大倉尾根を登ったと思いなさい。塔に泊まるので自炊用具と食料と4リットルの水と酒で8kg超程度の負荷だったが、すっかり参って仕舞った。
 勿の論、暑い日では有ったが条件は良かったのだ。堀山迄は蒸されに蒸されてびしょびしょ、そうねえ、風呂桶に汗を一杯に張って、服を着た侭とっぷりと頭迄浸かって、出て来た様なもんだ(汚ねーー!!)。
 でも、堀山からはガスに入って涼しくなり、ぐっと楽になった。ラッキーで有る。筈だった。駄目なの。堀山迄で、もう既にノックアウトされて居たのだろう。普段三時間強で着く塔に、四時間一寸と掛かって、おまけにフラフラなのだ(涙)。
 チューハイのロング缶一本で、もう降参の体たらく、小屋で隣り合わせた二人連れがショーチューを勧めてくれるが、断るのみだ。まともだったら、酒を(ショーチューだけど)酌み交わして話に花が咲くものを。
 (暑さの夏は避けるが常道 その三へ続く)

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