2015年9月15日火曜日

閑話 その百七十一




 ヒーヒー冷や冷やと頑張っていると上は植林だ。「沢に戻らずこのまま登るぞ」と声を掛けるとYは嬉しそうに頷く。気持ちはよーっく分かる。
 やっとこさ植林へ飛び込み、二頑張り程で尾根に立った。堀山西尾根(仮称)である。何度も登った尾根だが、今回は辛い。ゆっくり行くと言うより、ゆっくりとしか行けない。
 Yは両腿をつり、騙しながら登る。此れは辛いのだ。足を延ばすとつる。だから何時でも膝は曲げていなくちゃなんねえ。
 明けない夜はない。やっと傾斜が緩んだら幕営予定地に着いた。やったーっ! 整地しつつYを待つ。
 テントを張り始めたら蚊柱ならぬブヨ柱、始終手で払っていなければならないのだが、其れではテントを張れない。結局二人とも凸凹に喰われて仕舞った。くっそー!
 テントに入ったらブヨだらけ。手分けして潰しまくる。一匹でも残すと又食われるのだ。どうにか退治してやっと乾杯である。
 例に依って大して飲めない。Yの方が飲めるのだから、体力の衰えは恐ろしい。其れでも恒例の夜中の宴会も行ったのだから、まあまあ上等か。
 涼しいのは救いだ。里と6℃違うのだから結構な事だ。アブに噛まれた所は痒いけど。蛭に三ヶ所やられていた。流れる血はサビオで抑える。Yは被害無し、ロングスパッツで防備していたのが効いた。
 翌日はゆっくり下り、途中下車して鶴巻温泉は、五月と同じだ。風呂上りに一杯も同じ。結構贅沢な山旅ですなあ。
 以上が夏までのリハです。高取を登っているのが精々ってとこだろう。沢に入ったら一発で駄目だと分かった。小さい沢なのに。
 沢登りは登山道を行く五から十倍の負荷が掛かるって事でしょう。まだまだ、とても沢登りは無理って段階なのですなあ。

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