2015年3月22日日曜日

閑話 その百四十八




 前話と同じ年の、平成十三年の二月三日に思いを馳せよう。
 多分此の日が丹沢では、あたしの知る限りで一番積雪の有った日だった。記録では、馬の背の道標が雪に埋まって居た、と有る。
 記憶では、トレースが有ったので其れを追ったが、木の枝を潜り乍らの登りだった。少なくとも1m以上の積雪は有った事になる。
 何と素敵なんだ!と心弾ませて塔に立った。勿論一面の雪しか無い。木台も土止めも全部雪の下だ。雪の向こうに小屋が有る。二、三枚写真を撮って魔が差した。
 トップの写真で分かる様に、日付が入って居る。何故かと言うと、ニコンが故障したので修理中、Yからカメラを借りて来たのだ。元はあたしのカメラだったので、日付を消そうと操作したら、手がかじかんで居たもんだで、フイルム取り出しの操作をして仕舞ったのだ(涙)。
 ドジで有る。あっと言う間にフイルムは巻き戻された。戻ったフイルムを再度挿入は不可能だ。フイルムの先っぽが出て居ないので。
 何かに書いたが、此の日は表尾根を行った。雪に埋まった表尾根は素晴らしい。勿論、登山道は通行不能だ。U字に掘っくれて居るので、腰迄埋まって仕舞う。
 表尾根にはトレースは無かった。あたしが最初に歩いた事になる。えっへん。威張るのはアホだとは心得て居るけど、此処は意味も無く威張る処なのだ。
 登山道の脇を、枝を潜り乍ら行ったのだ。撮りたい風景は山程有った。1mの雪に覆われた表尾根だ!
併し、撮れない。何と馬鹿な話なんだ! 其の景色にはもう出会えないかも知れない。50cmの雪は有るかも知れないけどね。
 ドジは雪山かけめぐる、って言う情け無い話でした。

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