2014年7月26日土曜日

柄でも無い事 その四十九




 五十代後半に、シナリオの勉強で夜学に通って居た話はした。ケチョンケチョンにされた、とも書いた。現にされたし。
 其れは全く正しい。TV界で受ける事が目的の学院だから。
 あたしゃあテレビはでいっきれえ、元々見もしねえ。勿論ドラマもだ。其処に入り込んだあたしの不明だ。
 Sセンターの卒業生が、テレビ界のライターの80%近くだそうだ。そりゃああたしと意見が合わない。
 先生は現役ライターの女性。ドロドロした感情を重視する。あたしは、あっけらかんですぱっとした話が好きなので、先生には理解不能な駄作なのだ(涙)。
 唯一人、(やや)理解者が居た。CMやドラマのチョイ役をやって居た俳優さんだ。当然二枚目で有る。自分で俳優教室も開いて居た。彼は、仲間の作品の評価とアドヴァイスが極めて的確だった。ライターになるより、教師になった方が良いタイプだ。
 ブーイングの嵐の中のあたしを、(多分)無理やり良い処を見つけてくれた。「ニーズは有ると思うけど」と。
 見抜くなあ、と思ったのは「大塚さん(作品)は何時でも死に場所を探して居るんだ」との指摘。意識して無かったが、そんなものばかり書いて居た気がする。
 唯二つ受けたシナリオのうちの喜劇も、飛行機のアクシデントで死ぬか生きるかと言う話だ。彼曰く「喜劇も、大塚さんには生死に係わって居るんだ」。
 ま、TV界で受けるシナリオは、あたしには死んでも無理。じゃあ何処で受けるもんなら書けるのけえ? 何処でも受けないの!
 自分で劇団を造って、好きにやるのが間尺に合った処でしょう。だからって、観客を飽きさせたなんて事は、一度も無いからね。劇では受けた。任せて下さい! (ダメ?)

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

舞台の芝居で観客を魅せるのが最高の芸術です!!!テレビは暇つぶしの人が見るもの、、、舞台は本当に人の生と死を考える場です。KENZABUROU 作の舞台を観たかったなー!!!

kenzaburou さんのコメント...

いやあ、我乍ら何ですが、小劇場の芝居は皆、俺には及ばねえなあ、と何時でも
思って居たあたしで、良い歳なのに自惚れてますです。

劇団仲間の一人は、何時でも娘を連れて来て練習してました。
その子が高校を出て劇団に入り、役がついたので見に行きました。プロの主催する劇団なのに、我々より遥かにレベルが低くて、びっくりしました。
ただ、その娘さんは一人だけ輝いて居ました。
その感想を述べたら手紙が来て「大塚さんの演出の舞台に立ちたかったです」と有りました。
中年殺しの言葉です。