2014年7月11日金曜日

閑話 その百三十




 聖不動経由で高取山へ登り鶴巻温泉へ下る、我がリハビリコースに、妻を連れて行く事が出来た。それも、五月六月と二度だ。
 取り付く迄の車道歩きが一時間以上かかるので、多少心配はして居たのだが、気持良く開けた麓歩きなので、問題は無かった。
 五月の時は、遠望する聖峰が赤く見えた。登ったら一面の躑躅だった。一人の時は此処迄ワンピッチで来るが、妻連れの時は途中で休んでから来る。
 聖峰から山らしくなる。階段に掛かると、一気に登らされる。まあ、ハイライトですなあ。ぐんぐん登って稜線に飛び出ると、頂上は五分程だ。又此処へ戻って来ると話すと、頂上は行かなくても良い、なぞとのたまう。駄目、と冷たく拒絶してピークを踏む。
 折角肩迄登ったんだから、頂上に行かなくっちゃさあ。あれ、Kと同じ考えになっちまった。でも此の際は五分だからOKだろう。Kの場合は、平気で一時間は登らせるのだ。
 六月の時は、頂上で雨が来た。木の下でおにぎりを食べて出発したが、知らぬ間に蛭に付かれて、妻は一か所、あたしは三カ所喰われて仕舞った。クッソー、蛭の奴め!
 五月の時。善波峠迄来ると、六、七人の中高年パーティが来る。
女性「どちらからですか」
私「高取です」
女性「吾妻山はこっちで良いですか」
私「いえ、逆です。此の先を左へ行きます」
男性「(皆に)おい、引き返しだってよ」
 彼等はざわついた。其の騒ぎを尻目に、あたしと妻は進んで行った。彼等もついて来る。真っ直ぐ行けば良いのに、変に曲がって仕舞ったのだ。
此処(分岐点)の道標は前から変だとは思って居た。今迄は、吾妻山方面と表示して居たのが、急に鶴巻温泉に変わるのだ。吾妻山は何処??と迷わせる造りで有る。(続)

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