2013年12月23日月曜日

閑話 その百十四





 毎年、年末にYと山に行く。忘年山行ってやつで有る。去年は東尾根を登って堀山直下に幕営した事は、前に書いた。
 今年は大室山を目指したのだ。神ノ川ヒュッテから尾根に取り付くが、登山道は完備で有る。
 今年の四月にも、同じコースをYとやった。其の時は、登って居る途中であたしは予言した。
「下りは、此処いらから膝が笑うよ」
 そして其の予言は当たった。あたしゃあ預言者か? Yはメロメロになった。品川の自宅に帰る迄三回転んだそうだ。転ぶと言ってもバタンとでは無い。足に力が入らないので、ヘナヘナと尻餅をつくのだ。そして、家でも一回転んで飼犬を驚かせたそうだ。
 車でなければ入れない。町田で七時の予定だったが、Yが寝坊して(訳有り)一時間遅れての出発だった。其れが幸いした。道志道も神ノ川林道も凍って居る。一時間遅いだけでも、相当安全になって居た筈だ。
 神ノ川ヒュッテの周りは、一面の雪だ。尾根を登って行くにつれ、雪は深くなる。今回はスパッツが見つからず、昔の物を持って行った。稜線に出たら、雪がぐんと深くなった。
 あたしは変な奴なので、極力スパッツもアイゼンも着けずに行こうと思って居る。大昔流なのだ。水だって飲まない。時代遅れ、帝国陸軍並の感覚だ。
 で、スパッツを着けようとしたら、チャックがどうしても上がらない。そんな時頼りになるのは、そう、Yだ。
 彼は機械好き、縫い物も手直しも大好きで力も有る。チャックを仔細に検分し、何の問題も無いので、力任せに上げてくれた。有り難う、Yよ!
 おらの感はぴったしだっただ。其処から雪は30cmになっただよ。山々は白銀の姿を表す。でも、登ってる我々は一歩一歩が大切だ。幕営予定地に着いた。十四時を越えて居る。冬至の前日だ。じきに日は暮れる。登頂は断念して。幕営と決める。
 大成功だった。テントに入って乾杯って時にパラパラと降雪、ラッキー、と喜び会ったです。(続)

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

すっかり雪山なのですねー! すてきな忘年山行きの山仲間があって、良いですねー。うらやましい。いつまでも忘年山行きができるように、Yさんの膝が良くなりますように、、!膝も腰も、日ごろのストレッチ訓練が大切です!
自分がひとつ年をとったのに、どうしてKENZABUROUさんはまだ、、、、と思って ハタと! すっかり忘れていましたが、遅まきながらお誕生日おめでとうございます!ございました!!!

kenzaburou さんのコメント...

有り難うございます。
いやあ、お墓に一歩近づいた訳です。

本当にあたしは、山仲間がいて幸せ者です。