「ハイクへのお誘い 檜岳山稜」では触れなかったが、林道秦野峠への登り返しでヒーヒー言って居たら、頭上から声。見上げると五十代の男性だった。
男性「どちらへ?」
私「秦野峠です」
男性「一緒ですね」
飛んでも無い方向から来た様だ。多分ブッツェ平からやって来たのだろう。
登り切ると彼等の後姿が見えた。さっきの男性と同年代の女性と、三十代の女性の、都合三人のパーティだった。
彼等は靴音高く下って行く。追いつけない。何だ?少なくとも下りは速かったんだぞ。と、過去形にしたのは、無意識な自覚が有るのだろう。昔ではないのだ、今は。
頑張っても、等間隔に付いて行くのでやっとだ。十歳位しか違わないのだが、此の十年の大きさを、認めるざるを得ない。悲しいかって?考え方に依る。己の衰えを拒否すれば、嘘になって、嘘を通すには嘘を重ねるしか無い。だから何だってえと、悲しいよ!!
林道秦野峠で、休憩して居る彼等に追い付いた。三十代の女性が、あたしの地下足袋に目を留めた。
女性「其のお靴は如何ですか?」
私「具合が良いですよ。唯、今みたいな下は滑りますね」
一寸と言い訳っぽかった(恥)。リーダーに聞いた。
私「ブッツェ平からですか?」
リーダー「玄倉からです」
彼は地図にルートを示した。玄倉からブッツェ平へ、道の無い尾根を登って来たのだ。あたしと同好の士で有った。
私「変わったとこを来ましたね(笑)」
リーダー「ええ(笑)」
彼等と別れ、林道を下って居るとあたしと同年輩の男性に追い付いた。ん、何処から来たのだろう。檜岳は、あたしより前には人は居ない。では、ブッツェ平かい?
私「どちらからですか?」
男性「いえ、林道を往復して紅葉を見てるんです」
そりゃ良い。現に綺麗な紅(黄)葉だ。広々とした谷間の紅葉、素敵で有る。
そんな一日だったのです。
2 件のコメント:
林道を何度も往復して、紅葉を楽しんでいる人、、、良いですねー!!! 山もいろんな楽しみ方ができますね。それなら、年をとるのも怖くない!
全く其の通りです。
歳なりの楽しみ方は有るもんです。
従って、山は良いんです!
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