2012年12月13日木曜日

Gパンにご用心 その五



 

 古道なので風情たっぷりだと言いたいが、無闇と林道を越えるのが難点だ。但し道標は完璧なので、迷う事は無い。
 小雨の降る中、ご苦労にも其の古道を登った。下社からの道が合流する所で休んで居たら、初老の男性が登って来た。好き者は私だけでは無かった訳だ。ガスと雨なのに。
初老「いやあ、此れじゃ天狗が出ても当たり前ですな」
私「はっはっはっは」
初老「何も見えないし、暗いし、一寸と気味が悪くなりました」
私「雨の日はこうなんですよね」
 大山は別名雨降(あふり)山と言う。相模平野が日照りなら、雨乞いをした。霊験明らたかだったそうだ。成程雨が多い訳だ。それに天狗が売りでも有る。うっかり天狗が出て来ても、決して不思議では無い。
 前述の通り、大山東面の尾根はSとKが、散々私に引張り回された一帯だ。山神隧道から尾根に上がり、西へ登って大した藪にも会わずに、唐沢峠からの登山道へ首尾良く飛び出した事が有った。とても目出度い。
 処が此処からが笹の尾根で、両側から覆い被さって居る中をザワザワと登るのだ。ラッキーな事に前日の雨でたっぷりと濡れた笹だった。尚も良くしたもので、SはGパン姿だったのだ。
 進むにつれ三人共ずぶ濡れになった。雨具を着ければ良かったのだが、其れ程でも無かろうと、甘く見たのだ。笹から出た時は濡鼠、チューチュー言う有様。特にSはGパンが濡れて、硬くて冷たくてどうにもいけない。
 震え乍らSはGパンを脱いで絞った。「Gパンは駄目だなあ!」と呟き乍ら。それからSの装備は一新され、常に最新装備となった(と思う。遠い記憶)。
 と言う訳で、色々に楽しめるのが大山の良い処。体力に合わせてお楽しみ下さい。

2 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

大山は雨降り山という別名をもっていたのでしたか、、。なるほど、なるほど、、やーーーーっと、Gパンがいけない訳がわかりました!!!

kenzaburou さんのコメント...

そうなんです。コットンの肌触りは棄てがたいのですが、濡れると始末に負えないのです。
昔の遭難で良く、下着がコットンとウールで生死が分かれた事例が有りました。