ゆったりと、穂高の山々を肴に酒を飲む想定とは異なってぼんやりと、呑んだ。皆さんは表でやって居るが、あたしはテントの中。但し入り口は開けて有るので、肴は真正面の北穂(写真)。そして一寸と呑むと回って仕舞い、ビールを買いに行く必要も無い(涙)。
何せゾンビ状なのでやる事が遅い。そのくせ酒は回る。見る見るうちに夕食の時間となる。とか言い乍ら、大きめのペットにローヤル12年を入れて有るので、チビチビ呑んでは居るのだ(意地汚ねー)。
夜は寒さに痛めつけられた。いやー、本当に冷えた。でも最高じゃんかさ、翌日の、詰まりアタック日(五日)の快晴は保証されたって事なのだから。
五日の朝は快晴だった。万歳!此の日の為にゾンビにもなり、夜の寒さにも耐えたのだ。
食事を済ませ、ゆっくりお茶(パックだけど)なんぞ飲み乍ら一服燻らせる。今更焦らない。どう見ても、今日の快晴は本物だ。
荷物は小さなアタックザックのみ。これだったら何とかなるだろう。アイゼンは、例の右足が外れる奴だが、何とかなるだろう(だから何ともならないんだって!)。
デブリの横を抜け、登りに掛かると早速アイゼンが外れた。着け直すのだが、其の姿勢が偉く疲れる。外れない様に気を付け乍ら行くが、又外れる。其れを承知で持って来たアホなのだから、付け直して行くしか無いのは当然だが、どらー時間が掛かってかんわ。
四回目に外れた時は、相当傾斜も増し、先行者の踏み跡が階段状に続いて居る。アイゼンを着けるには不適な場所だし、傾斜が緩む迄此の侭行っちまえ、と右アイゼンをぶら下げ、生きて居る左アイゼンを頼りに登る。滅茶苦茶な奴ですなあ。
すると三十歳位の若者が、横をピックをアイスハンマーの様に打ち込み、出歯を蹴込み四つん這いで勢い良く登って、あたしの前に出る。若い者は馬力が違うな、と感心して見て居ると、踏み跡をカッティングし、整えつつ登って行く、それも右足部分だけを。
はっと気付いた。
私「あの、ひょっとすると私の為にカッティングしてくれてるんですか」
若者「はい」
私「わ、済みません!私は大丈夫です、本当に大丈夫ですから」
若者「大丈夫ですか?」
私「本当です。有り難う御座います」
若者は、頷いてグングン登って行った。後姿に手を合わせたかった。あと、何百回ステップを切るつもりだったんだろう。今時の若い者は、何て死んでも言わないぞ!!
傾斜が緩んだ。早速アイゼンを着けて居たら同年代の男性に声を掛けられた。Aとする。
A「紐をあげるから、縛ったらどうかな」
続けて登って来た男性(B)も話に加わる。
此の続きは又。
2011年5月17日火曜日
山の報告です その十九
登録:
コメントの投稿 (Atom)
5 件のコメント:
さすがさすが、、、春山をやるような人たちは、みんな紳士ですねー!
正確にはあたし以外は、です。
ご承知の通りの壊れたアイゼンを持って行く様なヤクザもんも混じってます。
タロウ、−9は
余計でした。
もしかすると、じろう込みで南極に置きざりにした頭数かもしれない。
相前後して済みませんでした。
タロウ、 -9
昔むかし、八方の国民宿舎に男は三人、女子が十一人。責任が有ったから覚えてます。春だからロープウェー終点から、15分なのですが暗くなり始めたのです。一時間以上掛かりました。お風呂が無いからブーイング。当たりまえ過ぎて説明すらし無かった鮮明な記憶があります。トラウマばかり溜まるのかな? そこで、かってに男はザックを前と後ろにスキーは二本て事? ラッセルは男が交代、殿(知らない字でした)も野郎です。メンバーにいなかったスキー部同期の奴の彼女が居ました。みどりの黒髪(亜麻色とこの色は罪作り)、雪の様な肌。いかんいかん、これは考えるだけで…立派な犯罪?だから、殿はし無かった。無念… 二人は結婚し、この話は御法度に。なんて好い加減な立場だったのか? ?って、こんな時代も在りをりはべり、イマソカリ? る?
???????
悪戯っ子さん、文章の意味全く不明!!
分かる人が居たら心療内科にどうぞ・。
責めません、あたしも酔っ払ってる時はそうなんだから。
コメントを投稿