2011年2月16日水曜日

休題 その六十

 馬鹿になった自分に驚く。前は利口だったと言いたい訳では無い(現に違うし)。あくまで比較の問題なのだ。
 写真は、馬鹿の象徴として載せた。え、失礼だって?間違いなくそうなの!!
 四十代迄は手帳を持った事が無かった。正確に言えば、五十代初め迄は、だ。当時営業をして居たあたしは注文を受ける。
客「
KENZABUROUはん、○○を幾つ、××は幾つ、△△は幾つ、◎◎は幾つや。センターへ送ってや、期日は■月□日やで」
私「了解しました」
客「書きなはれ」
私「大丈夫です、覚えてますから」
客「え、アホな。ほな、書いたるわ」
 で、客がメモを書き、印鑑迄押してくれる。間違えられるのが不安だったのだろう。
 五十代半ばとなったら、全く駄目。メモを取らなければ、相手の会社を出た時には、既に注文内容は朧になって居る。数なんざ分からん。期日も不明だ。駄目だこりゃ。
 名前も覚えられなくなった。覚えても、すぐ忘れて仕舞う。詰まり、馬鹿になったのだ。
 記憶だけでは無い。咄嗟の知恵が出ない。我乍ら恥ずかしいので躊躇ったが、真実なので書く事にしよう。
 あたしの仕事は、間抜けにも一日中ゲンチャリで走り回る事なのだが、魔が差して警報機が鳴り始めた小さな踏み切りへ、強引に入った事が有る。
 遮断機は閉まった。押せば出れると思ったのが大間違い、鉄製のがっちりした奴で、押せども引けども、ビクともしない。京王さんよ、何考えてるんだ!
 昔のあたしなら、バイクを倒して引きずり出して、はい終わり。それが、馬鹿になっちまってるもんで、呆然と近づく電車を見て居るのだ。何やってんだ馬鹿!!
 だから、馬鹿になったあたしって言ってる訳なの……。
 其の小さな踏切に若い男が居た。彼が見かねて声を掛けて呉れた。
彼「バイクを倒して下さい」
私「はい」
 倒したバイクを彼が引っ張って呉れた。あたしも押して、自分も踏切から這い出した。そして電車が通過して行った。私「有り難う御座いました、お陰で助かりました」
 彼が居なかったらどうなってたんだ?多分、あたしだってバイクを倒して押し出して居ただろう。さもなくば、鉄道事故になっちまうんだから。下手すりゃあ、死んじまうんだ。
 悲しいのは、咄嗟に考えもせずに行えるべき行為が、行われなかった事。彼のアドバイスで、やっと起動した事。
 って事は、起動せず、呆然と鉄道事故を起こして居た可能性は(低いけど)有ったのだ。
 馬鹿になっちまった。多分、あたしだけじゃ無く、似た年代には多発してる筈だ。
 自覚してるあたしは、増しって事かな(涙)。

5 件のコメント:

DOGLOVER AKIKO さんのコメント...

40まで手帳を持ったことがなかった人の方が珍しいですよ。自分は、20代から 手帳なしに何の仕事も 遊びもできませんでした。
私たちの世代は今、脳が「記憶」するだけの時期を経て、「思考と熟考」するのに適した時期にきているのです。ちいさなことは忘れたり、とっさに 行動が伴わなくても 仕方がないのです。そのかわり、熟考することができます。名前を忘れるくらい 何ですか!!!他人のどうでもいい名前など すぐに忘れて、河馬とか、蟷螂とか、馬とか鹿とか、自分なりの名前をつけてやればいいのです!!! 喝!!!

kenzaburou さんのコメント...

は!目が覚めました。

人に何と名付け様と良いんですね(其の人を覚えてればだけど)。
仰る通りです!!

匿名 さんのコメント...

忘却は最大の美徳也
って誰が言ったんだっけ?
悪戯っ子はメモ魔です

匿名 さんのコメント...

おめでとうございます。
詳しくは二金会専用掲示板にて(^O^)/
このBBSは、あまりにもエゲツ無いので
ばっきゃろ奴とワンコ入れたら二度と入らないのが
大人なんだ。悪戯っ子は恐いもんやヤバい所が大好きなんでカキコしてます。

kenzaburou さんのコメント...

悪戯っ子さん

お祝いのお言葉は長女の事ですか?BBSで確かめます。