空木岳は諦めてグレードを極端に落とし、西丹沢の畦ヶ丸へ十一日に行く事にした。十日には空木岳で疲労凍死者が出ているので、順当な判断であっただろう。普通は日帰りだが、せっかく避難小屋泊りを予定していたのだから、一軒家避難小屋にザックを置いて畦ヶ丸ピストン、その夜は一軒家避難小屋で泊まると言う悠々コース、これで決まりだ。
新松田に着くとバスがない。予定していた九時二十五分のバスは土日しかない。次は十一時過ぎである。呆然としていても仕方ない。とっさに寄(やどろぎ)へ行くと決め、栗ノ木洞(908,1m)へ登り、ザックを置いて鍋割山ピストン、栗ノ木洞泊にした。
あ、避難小屋泊なので寝具、鍋釜、火器、水、食料、防寒具の用意はあるがテントがない! しまった、念の為テントを持とうとして止めたんだった。構わん、野営じゃあ!
全く歳を取るとこの様だ。バス時刻すら調べられない。山なんて行かない方が良いですよお爺ちゃん、と言われても返す言葉もない。こうなりゃ無事に登って野営して帰るのみ。意地クソですなあ、何時もそうですなあw
栗ノ木洞迄地図上で壱時間四十分、実際はもっと掛かる。宿泊装備なので。一汗も二汗もかいて到着。一面植林の頂上だ。
栗ノ木洞経由で鍋割に行く人もある。長い林道歩きがないからだ。唯、後沢乗越へ比高113mも下る。それも急な下りだ。最後にコブを二つ合わせた様なアップダウンがあるので、実際は120mは下るだろう。あー、やだやだ。
ザックを置いてアタックザックを背負い下る。急で下りにくい所もあって、ここを登り返すのかと思うとガックリする。そのうちに後沢乗越に着いたのは目出度い。
後はワリワリ登るのみ。道も格段に良くなって歩き易い。何人かと擦れ違う。こんな時間に登ってるのは間抜けなあたし位さ。天気は曇りがち、鍋割に着きました。(続)
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