2023年4月2日日曜日

閑話 その四百二


  桜は青空の元で輝くもので、曇天では舞台の書き割りの様に精彩を失う。芥川龍之介がそんな事を見事な名文で綴っていたが、あたしは名文とは全く無縁なもんでねw

 権現山から弘法山へは桜の名所で、季節に”桜祭り”が行われる。準備段階で提灯を張っている時には通ったが、本番の桜を見た事がない。で、三月末日に行ったのだがどんよりと曇天、仕方ないですなあ。

 知らないうちに新緑も吹いていて、桜とのコントラストも良いもんなのだが、これまた曇天ではくすんでしまう。上の写真がそれ。いっそ雨の方が風情があるのではと思う。

 駅にも山中にもハイカーが多かった。多分あたしと同じく桜目当てだろう。登山口には二つのパーティ七人が溜まって、あたしが前に出て登り始めると、直ぐに三人に追い付く有様、何時もの三倍は人がいたです。


 
 権現山から富士山も見えはしたが、薄っすら。山頂は一面桜って訳ではなく、多少はありますって様子はあたし好みです。

 武漢肺炎で中止した桜祭りは今年も再開してなかった。何故分かるかって? 提灯がないからだよ! もう再開すれば良いのに。町田の桜祭りは今年から再開し、大変な賑わいだそうですよ(吾妻談)。

 この日は暖かくて、桜の下で休んだり弁当食べたりには最適だった。青空ならもっと良いんだけどなぞと泣き事はよそう。皆さん楽し気なのだから結構な事だ。

 人が多いのは弘法山迄。先に進む人はぐっと減る。弘法山迄が公園なんでね。先が山って訳ではないが、公園よりかは山道っぽくなるのは確かだ。


 
 途中大山が正面になった。晴れて光がたっぷりあればなあと、曇天を嘆いたが、つい最近快晴で雪の山々を眼前にし乍ら碌に写真も撮れなかった我が身を思うと、文句なんざ言える義理でありませんでした。

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