2023年4月21日金曜日

閑話 その四百三

 

 

 十八日の午後、爺ケ岳へ登るつもりで荷詰めをしていた。暫く仕事が休みなので、久し振りに春の爺ケ岳へ行きたくなったのだ。ピストンは無理に決まっているので、夏道から冬道に入って暫くの地点で雪を平にして幕営し、翌日頂上を踏んで撤収と考えていた。

 そこへ、翌日塔へ登るので我が家に泊まる次女が来た。「あ、パッキンしてる、どこへ行くの?」「爺ケ岳さ」「良いなあ!でも今年は雪が少なくて大変みたい」と今月上旬に爺ケ岳に登ったブログを探してくれた。

 な、何と、雪がチョボチョボで藪が出ている。雪の斜面も雪がグズグズで藪に逃げる有様。南尾根の合流点迄行けば一面の雪になるが、あたしが幕営しようとしていた辺りは話にもならない。

 結局爺ケ岳は諦めて、神ノ川から風巻の頭へ登りそこで幕営、翌日姫次をピストンして撤収と決めた。うーん、昨日丹沢から帰って来て筋肉痛が出ている我が身を思うと、何をトチ狂って爺ケ岳へ登れるとなぞ思ったのだろう。自分を、「たまに高い山にも行くハイカー」と規定したのに、急に登山者に心だけ戻ってしまったのだ。運転も危なくなった爺さんが突然「多治見で焼き物を見たいので、一寸と車で行って来るわ」と言い出した様なものだ。一種の惚けかも知れない。実に危うい。

 以上が長い前置き、十九日の九時過ぎにゆっくりと車で出発しました。ピッケル、アイゼン、スパッツ、グローブは下ろして多少身軽にはなった。但し、気管は六割弱しか空気を通さず、顎が正常な位置に戻った(?)為に噛めないので、ワンタンの小カップ、カロリーゼリー、チーズ、レトルトお粥が頼りである。おいおい、良くそれで爺ケ岳へ登ろうと思ったもんだ、矢張り惚けで間違いない。

 神ノ川林道に入ると暫くで通行止めの標識、入り口に書いておいて欲しいなあ。ふっふっふ、実は次の手も考えてあったのだ。(続)

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